カテゴリ: 治療法
村田歯科 横浜矯正歯科センター Blog

睡眠時無呼吸症候群 下顎後退症(顎変形症)について

村田歯科医院(村田歯科 横浜矯正歯科センター)です。

当院は、横浜駅前にて45年を超える医院です(自立支援指定医療機関)

 

睡眠時に「いびき」をかいてしまう!周りから指摘される!などのご経験をお持ちのかたも多いのではないでしょうか?

「いびき」は、眠っているときに吸い込んだ空気が、喉を通るときに鳴る振動音です。

異常な呼吸がおき、自分でも気が付かないうちに、色々な障害を体に及ぼす病気です。

睡眠時に「いびき」をかいてしまう!周りから指摘される!

などのご経験をお持ちのかたも多いのではないでしょうか?

じつは、「いびき」が出るということは、呼吸が一時的に止まっているとうことです。とまるということは「無呼吸状態」です。一時的とはいえ止まって、気流がおこり一気に空気が入り振動音がでます。

身体的症状としては、「いびきの頻発」は勿論、昼間の眠気、呼吸停止(無呼吸)、睡眠の質の低下などが起こります。さらにひどい場合、「日中の眠気」「頭痛」などを引き起こします。

このような症状があれば、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性が高いです。

 

睡眠時無呼吸症候群のメカニズムは異常な呼吸がおき、自分でも気が付かないうちに、色々な障害を体に及ぼす病気です。

睡眠時無呼吸症候群の原因は、「①一時的な原因」と「②慢性的(根本的)な原因」などに大別されます。

<一時的な原因>

1.寝室の温度・湿度による口呼吸が原因

(室温が低くかったり湿度が低かったりすると口呼吸となりいびきの原因になります)

2. 薬理学的要因により筋肉が弛緩・気道が狭くなる

(アルコール、服用薬、たばこなどの人体への作用がいびきの原因にもなります)

3.悪い寝姿勢が気道を狭める

(合わない寝具の使用など眠るときの姿勢(体位)がいびきの原因となることがあります)

 

 

<慢性的(根本的)な原因>

1.扁桃の肥大によるもの(アデノイド、咽頭扁桃、舌扁桃など)

2.肥満によるもの(首周りの過剰な体内脂肪により上気道が狭くなります)

3.口呼吸によるもの(口呼吸の習慣(癖)や鼻づまり等から起こる口呼吸鼻では鼻呼吸をするよりも気道が狭くなるのでいびきの原因になります)

4.加齢による筋力低下によるもの(加齢に伴う筋力低下は気道狭窄の原因になります)

5.アゴ(特に下アゴ)小さい・狭いことによるもの(アゴが小さいと舌が喉側におちこみ気道を狭くします)

 

「一時的な原因」については、生活習慣など環境を変えたり、対症療法で軽減することが多いです。

代表的なものでは、

①シーパップ療法(CPAP療法)

②スリープスプリント療法(専用のマウスピースを使用し症状を和らげる対処療法)

などがあります。

 

①シーパップ(CPAP)療法

・CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)と呼ばれる機械で圧力をかけた空気を鼻から気道に送り、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です(健康保険適用)。現在では中等~重症の閉塞型睡眠時無呼吸症候群の標準的治療法として広く用いられています。

②マウスピース(スリープスプリント)療法

 下あごを上あごよりも前方に出すように固定させることで、上気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療方法です。

治療に使用するマウスピースの作成は、患者様の口腔内・歯列の形態にきちんと合ったものでなくてはならないため、歯科医院にて精密に作製する必要があります。

耳鼻咽喉科医や睡眠障害専門外来などで検査を受け、睡眠時無呼吸症候群の診断をされた担当医師からの紹介状が発行されると、マウスピースは医療保険の適応となります。

 マウスピース(スリープスプリント)による治療は、軽度~中程度の閉塞性睡眠時無呼吸の患者さんに比較的有効ですが、重症の患者さんには治療が不十分となる可能性があります。👆 (ここポイント)  

基本的には「シーパップ(CPAP)療法」や「マウスピース(スリープスプリント)療法」は、軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群に適応される「対症療法」です。「一時的な原因」の場合において、症状を緩和させるために有効的です。

 

「シーパップ(CPAP)療法をおこなっても合わなかった(改善しなかった)」

「CPAPを装着している時はいいが外すとすぐに元にもどる」

「歯科医院でスリープスプリント作ってもらい使ったが改善しなかった」

「マウスピースで一時的に改善したが症状がすぐに出てしまう」

などの声を聞くこともあります。

歯科医院でも「睡眠時無呼吸症候群」の治療法として「スリープスプリント療法」を積極的に打ち出している医院などもありますが、あくまで対症療法であり根本的治療にはならない場合も多々あります。

 

やはり「慢性的(根本的)な原因」による場合には、対症療法は効果が薄いとお考えになってください。この場合は、直接的なアプローチがが必要になります。

 

特に「扁桃の肥大によるもの」「アゴ(特に下アゴ)小さい・狭いことによるもの」は根本的な原因に直接アプローチします。

通常、扁桃は6歳くらいで最大になり、その後、成長と共に縮小します。ただ、幼い頃に風邪などで喉に炎症が起こると、肥大したまま残ってしまうことがあります。また、ウイルスや細菌の影響から炎症がおこり、一時的に肥大している場合もあります。この場合は

耳鼻咽喉科や睡眠障害外来などにて、直接、外科的な切除が有効となります。その他、口蓋垂や軟口蓋なども切除する場合があります。最近ではレーザーによる手術などもあり、外科的な侵襲が少なくて済む場合もあります。

 

「アゴ(特に下アゴ)小さい・狭いことによるもの」については、特に、矯正歯科、口腔外科や形成外科との連携治療が必要です。

「歯列矯正とアゴの外科手術で根本的な原因を取り除く根治的治療」で「顎変形症治療(がくへんけいしょう治療)」と言います。

 

顎変形症のなかでも下顎後退症(かがくこうたいしょう)と診断される場合になります。

この治療については、当院で多く担っております。

「アゴが小さい場合(顎変形症・下顎後退症)の睡眠時無呼吸症候群の根治療法」です。

矯正歯科でもまだまだ、下顎後退症における顎変形症治療を積極的に行う医院は多くないように思います。

適応ケース(症状)としては・・・

・骨格的に下あご骨が小さい

・骨格的に上あごが前に出ている(出っ歯)の方、
・かみ合せがズレているど非常悪い方(この場合、歯列矯正のみで改善傾向になる場合もあります)

・アゴが後方に位置している顎変形症(下顎後退症、小下顎症)の人

・CPAPがどうしても合わなかった人(特に、痩せ型の人)

 

このような状田では、下あごが小さく、後退している場合、同様に舌も後ろに位置しているため、気道が狭くなりやすく、睡眠時無呼吸症候群を引き起こす要因となります。

 

 

顎変形症(下顎後退症)の治療は、「上下顎前方移動手術」といいます。

上アゴの骨や下アゴ骨の骨全体を手術で前後・上下・左右に移動して(骨切り術)、気道を広げる治療法で、顎変形症の外科手術の応用となります。

 

この外科手術(形成外科や口腔外科)は、一般的に矯正治療(矯正歯科)と併せて行われるため、アゴの位置を変えて気道を広げるので、直接効果を得られやすく治療効果の高い根治療法の一つです。


ただし、外科手術を伴う治療ですから、それなりの負担もあります。全身麻酔での手術となり、数時間かかります。5~10日前後の入院が必要となります。

 

 

治療手順としては・・・
①初診・相談(顎変形症の治療を行っている矯正歯科、口腔外科など)

②精密検査・診断・治療計画を練る(矯正歯科医と口腔外科医または形成外科医との連携)

③術前矯正(1年~1年半)・・・矯正歯科医

④手術(入院5~10日前後)・・・口腔外科医または形成外科医

⑤術後矯正(手術後、1年~1年半)・・・矯正歯科医(この間に口腔外科や形成外科で手術時のプレート除去)

⑥保定・・・矯正歯科医

このような手順で進めていきます。

 

なお、自立支援(育成・更生)医療機関の指定を受けている(保険適用の矯正治療を実施)歯科医院で矯正治療をしない場合には、手術も保険適応となりませんので、注意が必要です!

 

もちろん、上記のような指定医療機関での治療が前提となりますが、保険適用の有無としては、「顎変形症(下顎後退症や小下顎症)」の診断を受けている場合は、保険適用となります。

なお、外科手術治療の必要性がなく、矯正歯科治療のみの場合には、保険は適用されず、通常の矯正歯科治療と同等の扱いになります。また、睡眠障害に対する診断だけでも、保険適用外となります(睡眠時無呼吸症候群がアゴの骨格が原因ではない場合)。

 

指定を受けている矯正歯科での「アゴが小さい場合(顎変形症・下顎後退症)の睡眠時無呼吸症候群の根治療法」は、あくまで「顎変形症(下顎後退症)」の診断名のもとの治療となります。

 

つまり、「顎変形症(下顎後退症)」の方のほとんどが「睡眠時無呼吸症候群」を発症しているので、結果、睡眠時無呼吸症候群改善につながるということです。

「睡眠時無呼吸症候群」という診断のもと保険適応による矯正治療は出来ません。(👆ッココポイント)

 

少々、ややこしいかもしれませんが・・・・

 

今回は「睡眠時無呼吸症候群の治療法」の概要について紹介させていただきました。

当院でも多くの方が、相談、治療にいらしております。

「アゴが小さく感じる」

「いびきがひどい」

「いびきで目が覚める」

「下アゴが引っ込んでいる」

 

などなど、気になる症状があれば、一度、相談にいらしてみてください。

 歯並びや噛み合わせの治療だけでなく、骨格的なアプローチも行う矯正歯科医としてお役に立てることがあるかもしれません。

 

村田歯科医院 / 村田歯科 横浜矯正歯科センター

村田正人

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矯正治療の食事制限 食べてはいけないもの お正月

横浜駅前にある村田歯科医院/村田歯科横浜矯正歯科センターです ☆彡

あっという間、年末になりました。

街は🎄クリスマスムード🔔一色ですが・・・・

すぎれば、あっという間にお正月ですね🎍

 

正月といえは、「海鮮もの」「山の幸」「美味しもの」「御餅」など、ごちそうや美味しいものがたくさんありますね。

 

以前にもご説明したことがあるかと思いますが、あらためて、矯正治療中の食事制限(食べてはいけないもの)についてです。少々、季節がら。お正月にも触れながらご説明したいと思います。

 

矯正治療は、長期間にわたり装置を使用したり、装着したりします。

矯正期間中は装置によっては食べれないものや、注意したほうがいい食べ物、飲み物があります。

矯正装置には、「可撤式(取り外し式)」「固定式」がありますが、可撤式は食事の際は取り外すことがほとんどのため、食事制限はほとんご無いといってもいいかと思います。

固定式の場合は、ワイヤーを使用したマルチブラケット矯正装置が代表的ですが、常に歯に装置が付いているので食事に注意しなければいけません。

矯正中に食べれないものにはどんなものがあるのか?

食べられないものは以下のような種類に分かれます。

矯正中に食べれないものには・・・・

  1. 装置が外れる可能性があるもの
  2. 装置に絡まる、挟まるなど歯磨きが大変なもの
  3. 装置が歪む可能性があるもの
  4. 着色するので避けた方がいいもの

などがあげられます。

<1.装置が外れる可能性があるもの>について

単純に矯正装置にくっつきやすい、粘着性のある食べ物は控えましょう

これらの食べ物は、装置についてしまうと取り除くことが難しいです。無理やり取ろうとすると一緒に装置が外れてしまう可能性もあります。ガムやキャラメル、ソフトキャンディは、はがれにくく溶けないので矯正中は口にしないよう特に注意してください。

お正月といえば!

お餅やお団子の場合は、お茶やお湯をお口に含めば、溶けるので比較的カンタンに取れますが無理は厳禁です。

厳しい先生では「矯正中はお餅もだめです」という先生もいらっしゃるかと思います。

焼いたお持ちは控えてください(;^ω^)

「つきたて」「煮た餅」にしてください。

 

<2.装置に絡まる、挟まるなど歯磨きが大変なもの>について

矯正装置に絡まってしまったり装置間に挟まってしまう可能性があります。繊維質のものや 細かい食べ物は、除去するのに時間がかかります。除去せずに放置していると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。さらに、口臭が発生する原因にもなるので、装置に食べ物が絡まった際はフロスなどを使ってきちんと清掃しましょう。

ほうれん草、ねぎ、にら、もやし、アスパラなどの繊維質の野菜きのこ類、いちご、みかん、グレープフルーツなどの繊維質の果物、鶏むね肉、骨付き肉、いか、えび、たこ など筋の多いお肉・魚類、ときには魚の骨にも注意以外と、ナッツ類なども注意が必要です。

 

<3.装置が歪む可能性があるもの>について

硬さがある食べ物は、かじった衝撃で装置が外れる可能性があるばかりか、装置が傷ついたり歪む可能性があります。ただ、この場合は全ての食べ物がNGというわけではありません。どちらかと言うと「食べ方」に注意が必要です。

おせんべい、クッキー・ビスケットなど硬いお菓子類、りんご・とうもろこしなど硬い野菜、歯ごたえのある野菜丸かじり、フランスパンなどバンの丸かじり、氷、硬いアイスのをかじる、大き目のお肉の丸かじり などなど・・・・

かじる事が必要な食べ物は避けてください

どうしても食べたいときは、細かくしてから少しずつ食べる、前歯ではなく奥歯で食べるといった工夫をして食べてみてください

 

<4.着色するので避けた方がいいもの> について

基本的に色の濃い食べ物や飲み物は、矯正装置が着色する原因になるので控えたほうが無難です。

ただし、矯正治療への影響は何もないので、着色が気にならなければ食べても大丈夫です。

「矯正治療中はカレーは食べてはだめ!!」というのは都市伝説です(笑)

 〇です!!

ワイヤー矯正では装置を固定するゴムが特に着色を起こします。

カレー、ミートソース、トマトソース、コーヒー、紅茶、赤ワイン など

ワイヤー矯正の中でも、色が目立ちにくい白色ブラケットを使用している場合は特に着色が目立ちやすいので注意してください。

ただし、1カ月に1回程度、歯科医院ではワイヤー装置を調整する際にゴムの交換を行います。色の濃い食べ物を食べたくなったときは、交換日の前日などに食べるといいでしょう。

あとは、すべてが予防できるわけではないですが、

「着色が気になるけどカレーが食べたい」というときは、食べた後はすぐに水を飲むようにするといいでしょう。

 

近年は、寒暖差も大きく、新型コロナウィルス感染症にかぎらず、色々な感染症流行の兆しが、取沙汰されています。

 

お正月は「美味しいもの」をたくさん食べて、栄養、免疫力を高め、強い体作り、健康な体作りに役立ててください。

 

矯正治療中は、お正月の御餅は、「焼き餅」はではなく

 

 

「つきたて餅」や 「煮餅」がいいと思います!!( ´艸`)

 

ただ、過剰な「食べ過ぎ」「飲みすぎ」にも注意してお過ごしくださいね。

 

次回は、逆に「矯正治療中のおおすすめの食べ物」について説明したいと思います。

 

 

村田歯科医院/村田歯科横浜矯正歯科センター

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睡眠時無呼吸症候群 下顎後退症 について

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センターです。

舌側矯正、マウスピース矯正や顎変形症(保険の矯正)など幅広い治療を矯正歯科を専門に行う歯科医が担当致します。一般歯科医も常駐しており、一般の虫歯治療、詰め物・かぶせ物(ブリッジやクラウン)、抜歯などの口腔外科処置、小児歯科処置や歯周病治療なども併設の施設で受けることが出来ます。

 

睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)という病気の名前を1度は耳にしたことがあるかと思います。その名の通り、睡眠時に呼吸停止(無呼吸)または低呼吸になる疾患です。

実は、矯正歯科の分野でも非常に関係性のある疾患です。ただ、だいぶ以前よりは情報が多くなりましたが、私たち矯正歯科医の中でも、専門的に診断や治療を行う歯科医はまだまだ多くないかと思います。

 

閉塞性睡眠時無呼吸症候群中枢性睡眠時無呼吸症候群、あるいは、その混在型に分類されます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、激しい「いびき」の症状がみられます。

一方、

中枢性睡眠時無呼吸症候群では特徴的な「いびき」は認められないことが多いです。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群にみられる「いびき」は、無音のあと著しく大きく音を発するという傾向・特徴を持っています。

単に「いびきをかきやすい性質」としか認識されず、治療開始が遅れることもあります、要注意です。

 

原因としては、肥満、家族の病歴(家族に睡眠時無呼吸症候群の方がいる)、アレルギー、咽頭扁桃肥大(アデノイド)、骨格的要因、顔貌形態(下顎後退症)などがあります。
そして、放置すると、心臓発作、脳梗塞、糖尿病、心不全、不整脈、肥満、昼間の眠気によるリスク(交通事故、人間関係の悪化)などの様々な弊害が増加すると言われています。bikkuri01.gif

 

治療法としては、生活習慣の改善(禁酒、減量、禁煙、睡眠姿勢など)、マウスピース(スリープスプリント)や呼吸機器の使用(CPAP装置の装着)、手術(矯正歯科治療および顎離断手術)などがあります。

今回は、矯正歯科分野での治療について、掲載したいと思います。
「睡眠時無呼吸症候群」「矯正歯科治療」についてです。kaeru01.gifbook.gif

 

手術を行う治療としては、口蓋垂、口蓋扁桃、軟口蓋の一部を切除し、気道を広げる外科的治療(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)と顎変形症(骨格性の下顎後退症)としての矯正装置と外科手術を併用した外科矯正治療があります。

矯正歯科での治療法としては、矯正歯科の装置と手術を併用した、いわゆる、「顎変形症治療(がくへんけいしょうちりょう)」になります。

「アゴがないんですけど、治ります?」

「シーパップやマウスピースを使って、睡眠時無呼吸症候群の治療を受けているのですが、中々改善しません。矯正と手術をした方が良いのでは?と担当の先生から言われました。」

「いびきがひどいのですが、治りますか?」

「寝ている時に呼吸が止まるのですが、歯並びのせいでしょうか?」

 

などの理由から初診・相談にいらした患者さんから伺うことがあります・・・・

「ひどいいびきをかきやすい」b-onegai02.gif

あるいは

「歯が出ていて口を閉じてどうしても口呼吸になってしまう。」kao03.gif

などそんな症状を自覚または、ご家族から指摘されたことはありませんか?

眠っている時に呼吸が停止したり、「ガガ~ッ」 っと大きないびきをかいてしまうと、眠りが浅く、日中起きているときにも眠気が生じ、集中力の低下などの症状が現れます。
さらに免疫力の低下、高血圧や肥満、糖尿病など生活習慣病に罹患しやすいとも言われています。

いびきがひどく、「カッ」っと呼吸が止まったり、「ガガ~ッ」っと大きないびきをかいてしまう方は、睡眠障害の専門外来を受診することをおすすめします。

この症状を起こす方の特徴の1つとして、共通の顔貌パターンがあります。
患者さんご自身の印象としては、

「下アゴが小さい」

「下がっている(アゴがない)様に見える」

「口を閉じるとアゴの先端にシワができる」

と感じることが多いようです。

睡眠時無呼吸症候群では、以前は、太った男性の方が多いという印象が強かったようですが、最近では、性差はなく、女性も比較的多いとされております。w03.gif

 

睡眠無呼吸症候群は気道が自体狭いことや口蓋、咽頭形態が原因で起こす場合もありますが、下顎(したあご)が後退(下顎が下がっている)しているかたは、仰向けに寝ると余計にアゴが下がり気道が狭くなります。

顔全体の傾向としては、「面長な顔」の傾向です。

「面長」とは、中・下顔面の長さが長いということです。そのうえで、「アゴが無い」「アゴの先端い梅干様のシワが出来る」という方は、要注意です。→ ココポイントup.gifkaeru02.gif

成人では、下アゴが著しく小さい場合、顎変形症(下顎後退症)といって外科矯正治療(保険適応)の対象となります。

顎骨の骨切り手術を行うことで根本的に正しい下アゴの大きさや位置を確保することで気道広くなるのを促します。

矯正歯科での治療は、歯並びだけでなく骨格的な要因による顎顔面の不調和を治す「顎変形症(下顎後退症)」治療です。「顎変形症(下顎後退症)」は睡眠時無呼吸症候群を伴っていることが多く、結果、全て改善する治療になります。

 

もちろん、顎変形症治療ですから、指定の医療機関と指定医の常駐する医院、病院では健康保険の適応になります。


以前は外科矯正の手術でも下アゴだけの手術が多く、結果的に再発する懸念がありまし最近では技術の進歩により、必要な場合は上下アゴの手術を行い位置を決めて治療をすることもできるようになり、顎変形症治療適応の領域も広がってきました。

睡眠時無呼吸症候群の治療には、顎変形症治療が非常に有効な治療法となっています。nurse.gif

さらに周囲の筋肉のリハビリと正常な舌の位置と鼻呼吸の確立など筋機能療法(MFT)などを行い下アゴが前方で適応する位置での咬み合わせを作ることで睡眠時無呼吸症候群の根本的な改善がでます。

どんな病気でも色々な角度からのアプローチが必要な場合があります。

歯並びや咬み合わせが悪く!

 

「睡眠時無呼吸症候群」

「いびき」

「睡眠の質がわるい」

「飲み込みにくい」

 

などの症状を自覚したら、

一選択肢、一選択診療科として、「矯正歯科」もあることを覚えておいてください。icon_razz.gif

(※ 尚、睡眠時無呼吸症候群(気道にかんする診断)にかんする矯正歯科治療を行う矯正歯科は限られております)

より良い治療法、根本的な治療法にたどり着けるかもしれません。

 

当院は自立支援指定医療機関(保険の矯正可能)であり、多くの下顎後退症(顎変形症)の患者様が通院していらっしゃいます。

 

村田歯科医院/村田歯科横浜矯正歯科センター

村田正人

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矯正治療が長引く原因や可能性

横浜駅前にある村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科 です。

新年度も始まり、半月ほどが経過しましたが、新しい環境には慣れたでしょうか?

新たな気持ちで、矯正治療をスタートしたいと思う患者様もたくさんいらっしゃいます。

 

今回は、これから矯正治療をはじめたい方、または、はじめている方への一情報を思い掲載させていただきました。

矯正治療が長引く原因や可能性についてです。

矯正治療は長期的な治療になります。

まず、矯正歯科の専門的な精密検査を行い、診断・分析後、綿密な治療計画(方針)を立案したとしても、人の体ですから、年齢や状態などで期間や方針にブレが生じます。

ですから、矯正治療ではきちんと立ち返ることができる(方針を確認できる)分析や治療計画が大切になります。

決して、その都度、方針を変える切り貼りした治療は良くないと考えております。

 

 

 

矯正治療が長くびく原因として代表的なものは・・・・

 

①歯の動きが遅い(個人差あり)

歯の動きには個人差があります。顔の骨格パターン、骨の代謝や咬む力の違いによって歯の動き方は変化します。また、咬み方や生活習慣も影響します。また、矯正治療に年齢制限はないですが、骨の代謝は経年的に変化します。年齢によって歯の動くスピードは変わる場合があります。特に初期の歯の移動するまでの期間は年齢が若いほど早く動き出すと言われています。

 

 

②装置が外れることが多い(脱離)

食べ物や食べ方に気をつけないと(通常は、装置装着時に口頭や説明書を用いて注意事項を説明します)、装置が外れることがが起こります。すると、歯が予想外の動きをしたり、治療のステップを再度一段下げる必要性がでる場合があります。当然、その分、治療段階に「寄り道」をすることになります。装置が外れる原因としては、他には「歯ぎしり」「噛みしめ」など、無意識な生理現象による場合もあります。

 

 

③歯磨きをはじめとした口腔ケアと怠ってしまう

矯正治療が始まると、多かれ少なかれ装置(異物)が着きますから、歯磨きはしづらくなります。矯正治療開始時に「ブラッシング指導」を行いますが、歯ブラシなどお口の中の清掃状態が悪いと、当然、虫歯や歯肉炎になりやすくなります。ひどい場合は、一時的に装置を外して、虫歯や歯ぐきの治療が必要になります。

矯正歯科専門医院では一般歯科を併設している所は多くありません。一般歯科の通院も必要になりますし、矯正治療が延びてしまいます。

 

 

④来院の予定が中々合わない

治療をする医院を決める際は、勿論、治療結果や治療に対する安心感が第一だと思います。さらに、担当の先生の説明、診断や人柄など「お願いしたい」と思って決めるかと思います。矯正治療は平均4~6週前後に1回目の通院間隔です(ただし、装置の種類や治療の段階によっても異なります)。当然、その医院の混雑状況により予約が先になる事もあります。きちんとした医院程、予約が取りづらくなる場合もあります。土日や平日の夕方は予約の競争率も高いかもしれません。

「予約が取りづらくてもきちんと治療をしてもらえる医院にしたい」

「多少遠くても、その医院で診てもらいたい」

「仕事や生活スタイルを中心に考え予約が取りやすい医院にしたい」など・・・

ある程度は仕方がない事かと思いますが、ご自身のお仕事、生活スタイルや通院に対する考え方なども医院を決める際に少し考慮することも必要かもしれません。

 

 

⑤お口や舌のクセ(口腔習癖、舌癖)や口呼吸で歯の動きを邪魔している

舌突出壁異常嚥下壁といって。舌が端を押す力で前歯が咬み合ったり、前歯を引っ込める動きを邪魔していることがあります(開咬という状態の方が多いです)。

この舌の動きは、矯正治療を妨げる原因の1つとなります。この舌癖を取り除くには、担当医の指導も下、ご本人の意識も大切ですし、舌の位置を意識するトレーニングであるMFT(舌の位置づけや舌の筋トレ)が重要となります。個々の状況によっては、「舌のクセ」が中々抜けず、治療結果が思わしくない状態になる場合もあります。

 

 

⑥歯が特異的な状態になっている場合(骨性癒着、アンキローシス)

本来、歯と支える骨の間には、歯根膜(歯周靭帯)という膜状の組織があります。その歯根膜の中には歯を動かす細胞が多数含まれております。本来、この歯根膜の反応により歯が移動します。この歯根膜は、歯をぶつけたり、脱臼したりして、強い損傷をうけても比較的正常に修復されますが、時折、骨の細胞が増殖し、歯と骨が癒着してしまう現象(骨癒着、アンキローシス)が起きてしまいます。

この現象は、損傷を受けなくても原因不明に起こることもあります。骨癒着(アンキローシス)は鑑別診断が非常に難しくレントゲンなどからはわかりません。ぶつけた記憶がなく矯正治療を開始してみて初めてわかることもあります。骨癒着(アンキローシス)が起こったら、歯はまったく動きません。また、対応としては、コルコトミ―と言って外科的処置をすることで骨ごと動かす処置を行います。

矯正治療前にあらかじめ過去に歯の外傷がなかったかなど、問診票や口頭で、担当医の先生に教えていただくと治療期間のロスを防ぐことにつながりますし、「もしかすると?」の心構えを持って治療にのぞめるかと思います。

 

その他にも様々な要因があるかと思います。

担当医、また、患者様もスムーズに治療が進み、早く装置が外せることを願っているのは言うまでもありません。

治療計画や治療期間の予測は診断の下に立案しますが、体質や習慣なども含め予測通りに進まない場合もありますので、これらの事を意識したことで治療に向合っていただけると幸いです。

 

今後とも正しい情報提供を心がけていきたいと思います。

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科

村田正人

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クイック矯正? セラミック矯正? ラミネートへニア矯正? それって矯正治療(歯列矯正)なの? 

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科 です。

 

今回は、「矯正歯科治療」について御説明します。

「そんなの知ってます」「わかっています」という方もいらっしゃるとは思いますが・・・・((´;ω;`))))))

「セラミック矯正」「クイック矯正」「ラミネートべニア矯正」

などという文言をネット広告などで時折目にすることがあるかと思います。

 

患者様からのご相談でも・・・・

「セラミック矯正はどうなんですか?」

「ワイヤー使う矯正をどう違うのですか?」

とのご質問を受けることがあります。

 

結論から言うと・・・

「セラミック矯正」「クイック矯正」「セラミッククラウン法」(←造語です)

という矯正歯科治療はありません。

 

対比するために使われることがある「ワイヤー矯正」というのも造語です。

「ワイヤー矯正法」とうい方法があるわけではありません。

「治療初日から理想的な歯並びが手に入る」

「わずかな時間で矯正ができる」

「通院3,4回で終わるクイック矯正」

「短期間で出っ歯が治る」

「短期間で歯並びが美しくなる」

「通院2,3回すぐ終わるセラミック矯正」

「安く、早く理想的な歯並びになれる」

 

などといった表現や宣伝文句も目にすることがあります

 

短時間(2,3回の通院など)で矯正が終わる = 矯正歯科治療ではない!!です

 

きちんとした矯正治療は、歯列不正(不正咬合)が軽度な場合でも最低でも半年以上かかるものなので、魔法や手品のように短時間で終わるという矯正治療は、どう転んでもこの世に存在していません。

 

セラミック矯正とはこのように健康な歯を大幅に削り、補足してその上からセラミックの歯を被せるという方法です。

 

この処置ですと、歯並びの悪い箇所を限界まで削り、そこを隠すために、歯の頭の部分(歯冠)を削りセラミックで覆います。確かに短時間、短期間で見た目の歯並びは良くなります。

 

虫歯など処置の必要ない歯では、限度量以上に歯を削ると歯の寿命が大幅に縮むみます。さらに神経を処置するとさらに寿命が縮みます。

 

セラミック矯正やクイック矯正などは矯正治療ではなく、健康な歯を大幅に削り、場合によっては神経を抜き、上からセラミックを被せる方法です。

歯の根っこ(歯根)の向きはガタガタなままです。

 

当然、早く見た目は良くなるという利点はありますが、その分、歯に伝わる力が負担過重になり、将来的に歯が悪くなりやすい場合などの欠点もあります。

健康な歯を削り、神経を処理ことでアナタの歯の寿命は確実に縮み、若くして総入れ歯になるリスクは非常に高くなります。(← ココポイント★)

 

健康な歯を大幅に削ること、必要のない神経を処置(抜髄)することのリスクを知らずにこの治療を行ってはいけません

もし、この治療法を受ける場合はそうしたリスクやデメリットを理解した上で施術を受けてください。

 

また、削った歯の上からセラミックを被せるということは、被せ物(セラミック)の寿命が過ぎたら、次はまた更に歯を削らなければセラミックを装着できません。

 

どんなに精密な被せ物(クラウン)を入れたとしても、歯を削ったり、神経を摂ることで虫歯のリスクや再治療のリスクが高まります。

必ず、歯と被せ物の間には、接着面(境目)が出来ますし、天然の歯にはかないません。

 

セラミックを使って短時間で白い歯を手に入れるという考えは非常に魅力的です。

綺麗な自分の歯を削ってでも・・・・諸事情により・・・

「どうしても短時間で見た目を綺麗にしたい!」

「どうしても矯正装置を長期つけたくない」

「もともと、虫歯で被せ物(クラウン)や差し歯が口の中に多い」

という方は良いかもしれません。

確かに短時間で治るということはストレスが減るかとは思います。見た目を主目的に治療する審美歯科では精神医学上の大切な役割もあると思います。

「セラミック矯正」は補綴処置といって短時間では治ったように見えます。

しかし、こうした、セラミック矯正のリスクをしっかりと抑えて、それでも尚且つこの方法で治療を行いたいという方には有効な治療だとは思います。

 

歯並び(歯列矯正)で迷っている方は、以下の事を考慮すべきかと思います。

 

・矯正歯科の専門医が居る歯科医院に相談する。

・矯正歯科の精密検査を行える医院である。特に診断にはセファログラム(矯正用のレントゲン)の分析を行う医院であること

・実績は日本矯正歯科学会の認定医や指導医などの歯科医師が治療に当たる事、また、自立支援医療機関の指定を受けた矯正歯科も参考になる。

・もし、セラミック矯正を行いたい場合は、メリット、デメリットもしっかりと話してくださる歯科医を選ぶべき

・通常の表側や裏側(舌側)の矯正装置(ワイヤー矯正)やマウスピース矯正装置などを選択しとして入れる。

 

となります。

 

なるべく矯正器具を着けたくない、今すぐに歯並びをなんとかしたいという気持ちはわかります。そもそも、出来る事なら(必要ないなら)矯正治療をしたいという人はいないですよね。必要だから治療を検討したり、施術を受けたりするものです。

 

 

良くも悪くも様々な情報が溢れている現代だからこそ、メリット、デメリットを含め正しい情報を選ばなくてはいけません。

 

要は、良く情報を吟味し、正しい情報を得て納得した上で治療を受けてください。

矯正歯科治療(歯列矯正)は、原則として自分の歯を使って、歯並びや咬み合わせを治す治療です

 

情報が溢れる時代からこそ、正しい情報が必要です。

今後とも微力ではございますが、正しい情報発信に努めていきたいと思います。

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マウスピース矯正 デメリット メリット アライナー矯正

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター です。

皆様、感染予防対策おこなっていますか?緊急事態宣言の再発令もどうなるのか?いつまで続くのか先行き不安ですが、前向きに頑張っていきたいですね。

当院も新型コロナウィルス感染症対策(COVID-19への感染予防対策を緩める事なく、また、患者様用の手指消毒液衣類用除菌剤を受付にてご用意し、日々の診療にあたっていこうと思っております。

 

「マウスピース矯正」「マウスピース矯正法」など 最近では、結構耳にすることばですね。

 

ブラケット(ブレース)を歯の表面に装着するワイヤーを使った矯正に比べて、目立ちにくい透明な樹脂をマウスピースを使用する「マウスピース矯正」が注目されるようになって数年がたちました。

 

装置を提供する会社もどんどん増えてきて、価格、材質、システムなど様々な特徴を打ち出していますね。

 

実は、正式に「マウスピース矯正法」という方法があるわけではなく・・・

「マウスピース型矯正装置」が正式であり、「装置」との位置づけになります。

そんな中で、「日本矯正歯科学会」よりHP上で・・・・(少々前になりますが・・・)

「歯科医師が介在しない形でマウスピース型商品が販売され、歯列の改善への有効性を謳うケースが出てきている。矯正歯科治療は、正確な診断や精密な治療計画に立脚して行われるべき医療行為であり、誤ったマウスピース型製品の使用は予期せぬ大きな問題を引き起こす可能性がある」

との見解を発表しています。

 

患者様自身の判断で独自にこれらの製品を使用し、歯の移動を行うことは、歯科医学的にも非常に危険であるとの警鐘を鳴らしています。

 

決して、「マウスピース型矯正装置」がダメ!と言っているわけではありません。

勿論、当院でも使用していますし、実は、スタッフや歯科医の友人も使用しています。

これまた勿論ですが、矯正歯科の精密検査を行い、私の方で・・・・

「適応症(マウスピース型矯正装置での治療が可能)」と判断した上でのお話です。

どんなことにも言えることですが・・・・

 

マウスピース型矯正装置にも「メリット」「デメリット」があります。

 

その欠点を踏まえ、歯の移動を理解して・・・・

「適応症(治療可能なケース)」の判断や専門的知識が必要とされます。

さらに学会でも・・・

大学病院や学会が認める専門機関、すなわち矯正歯科医を目指すべく基本研修機関において、矯正歯科領域全般にわたる基本的教育、臨床的な技術トレーニングを受けた矯正歯科治療を専門に行う歯科医師による診察、精密検査、診断、治療計画の立案を基に治療を行うことを学会でも推奨しています。

 

とのコメントもあります。

 

本来、矯正歯科治療は歯科医師の適否の判断や予想外の事態への対処、治療結果について、責任を持ち対象できる専門的な矯正歯科医が行う治療です。

 

「安い」「早い」「簡単」「部分矯正だけで治る」など偏った広告、宣伝ネット情報に踊らされずに、自己判断で装置を使用するとそれに伴うリスクが増大することを理解していただくことが大切だと思います。

 

何度も言いますが、「マウスピース矯正」がダメと言っているわけではありません。

金属アレルギーの患者様にも有効な手段となります。

 

歯並びやアゴの状態の色々なケースがあります。どんなことにも適材適所があります。

全てのケースになんでもかんでも「マウスピース矯正」ではなく・・・・

専門的な判断のもとご自身が「適応症(マウスピース型矯正装置による治療が可能なケース)」であるということを理解した上で治療を受けていただきたいと思います。

これからも、良い事ばかりを強調するのではなく、矯正治療として「利点・欠点」「メリット・デメリット」「できること・できないこと」を含めて、正しい情報発信に努めていきたいと思います。

 

村田歯科医院 / 村田歯科 横浜矯正歯科センター

村田正人

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ディープバイト 過蓋咬合 ガミースマイル 保険適応


矯正歯科(専門外来)と一般歯科を併設した村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センターです。当院では、院内の新型コロナウィルス感染症対策を緩める事なく、また、患

者様用の手指消毒液衣類用除菌剤を受付にてご用意し、日々の診療にあたっています

 

「前歯が見えないんです」

「咬むと歯ぐきが痛いです」

「笑うと歯ぐきがたくさんみえてしまいます」b-orooro.gif

 

そのようなお悩み、症状をお持ちで、来院される患者様がいらっしゃいます。

上下の歯を噛み合わせると、前から見て下の前歯が全く見えません!!bikkuri01.gif

 

この状態は、「ディープバイト」や「過蓋咬合(かがいこうごう)」といって、

上下の前歯が深く噛みあってしまい、下の前歯の先端(切端)が上の歯ぐきに当たってしまっている状態、もしくは、上の前歯が舌の前歯の歯ぐきに当たっている状態です。

 

この状態は、咬み合わせや見た目にも良くない影響を及ぼしやすいです。

以下に、過蓋咬合がおよぼす良くない影響を挙げてみます。icon_eek.gif

 

<歯肉退縮の誘因>

咬み合わせが深いため、上の前歯の先端が下の前歯の表面からさらに歯ぐきにあたり、機械的刺激で歯ぐきが下がってしまいます。これを歯肉退縮といい、一度下がったら元にはもどりません。この状態は、逆に上の前歯の裏側でも起こり得ます。放置する歯肉退縮は進行して、特に下の前歯は動揺して、やがて抜け易くなる可能性があります。また、上の歯ぐきでは機械的刺激を繰り返すことにより、さらなる歯肉退縮や歯周病、極端な場合には、口腔がんの発生リスクも高まってしまう可能性もあります。

 

<顎関節症の原因>

やはり咬み合わせが深く、咬み合わせる時に下あごが、後方へ誘導されるため、アゴの関節に負担がかかりやすくなります。最初は症状はなくとも、経年的にこの負担がかかり続けると、アゴの関節にある関節円盤を呼ばれる関節のクッションがズレたり、アゴの関節にある下顎頭(かがくとう)という部分がこすれて、変形する場合もあります。

 

<歯周病や虫歯の原因>

咬み合わせが深いことにより、上の歯茎が下の前歯によって刺激されるため、歯周病になりやすくなります。また、口内炎もできやすいなどの問題が生じます。また、上の前歯が乾燥しやすいため、虫歯ができやすい環境を作ってしまいます。症状によっては、歯と歯の間や、歯と歯茎の間に隙間が少なく、入れ歯や被せ物が壊れやすくなるなど、詰め物や被せ物のトラブルの引き金になる可能性があります。

 

<ガミースマイル>

咬み合わせが深いため、見た目にも上の前歯が下方に伸びており、その歯ぐきも下方にあるため、笑った時に歯茎まで露出して見える事が多く、ガミースマイルと呼ばれる症状を呈しています。笑う時の歯ぐきの露出を気にしてしまい、思いっきり笑え無い方もいらっしゃり、精神的な問題にもなることもあります。また、お口が閉じづらく、特に前歯の歯ぐきが乾燥しやすく、歯肉炎を起こしていることも少なくありません。

 

矯正歯科での精密検査をしてどのような状態にあるか?必ず詳細な診断が必要です。

症状にもよりますが、治療法としては、やはり矯正歯科治療がもっとも有効です・・・・

乳歯列期や混合歯列期のお子さんで、「過蓋咬合」の傾向があった場合は早めの対処が重要になります。(←ココ ポイント)book.gifkaeru04.gifup.gif

 

治療法としては、以下のようなケースが考えられます。

  • 矯正歯科治療単独(マルチブラケット装置のみ)で可能なケース
  • 矯正歯科治療(マルチブラケット装置)と矯正用アンカースクリューが有効なケース
  • 矯正歯科治療(マルチブラケット装置)と外科手術が必要な場合(健康保険の適応)
  • お子様の場合、拡大装置、ポジショナーやヘッドギアなどで正しいアゴの成長を誘導する

 

当院は、自立支援(育成・更生)医療機関の指定医院です。「過蓋咬合」「ディープバイト」や「ガミースマイル」でも外科手術が必要な場合は、健康保険適応のが可能となります。

過蓋咬合は意外と歯並びの乱れも少ない場合もあり、パッっと見だけでは、気にしない方や親御さんもいらっしゃるかと思いますが、歯並びのガタガタだけをきにするのではなく、この深い咬み合わせが「要注意」ということを忘れないで頂ければと思います。

 

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター

村田正人

日付:  カテゴリ:ガミースマイル, ブログ, 全身への影響・健康への影響, 外科矯正・顎変形症・口蓋裂, 治療法, 矯正歯科, 矯正治療のメリット, 笑顔・スマイル, 過蓋咬合, 顎変形症 and tagged , , ,

マウスピース矯正 アライナー矯正 インビザライン 

当院は横浜駅前に根付いた開院40年以上の実績のある医院です。矯正歯科(専門外来)一般歯科を併設した歯科医院です。自立支援(育成・更生)医療機関の指定を受け、より専門的な健康保険適応顎変形症特殊疾患の治療も行っています。

 

当院では、緊急事態宣言解除後も新型コロナウィルス感染症対策を緩める事なく、日々の診療にあたっています。

 

今回は、「マウスピース矯正」「アライナー矯正」についてです。

最近では、どこの医院でも目にするようになりました。インビザラインが有名ですが、じつはマウスピース矯正装置は、20年以上前から存在していました。icon_eek.gif

当初は今とは精度や材料も違い、とて矯正器具とはいえるものではなく、矯正治療後の後戻りに対応する補助装置や1、2歯のみの部分矯正用としてのものでした。

 

今や、矯正歯科専門施設だけでなく、どこの歯科医院でも扱いが見られるようになりました。そして、代表的な「インビザライン」だけでなく、各社こぞって「マウスピース型矯正装置」を販売し特徴を強調した宣伝も多くみられるようになりました。

 

また、それに伴い「トラブル事例」も歯科医師会などの窓口にも寄せられているそうです。

「なかなか治らない」

「並べただけでそれ以上治らない」

などの相談もあるそうです。それらは、適応ケースの判断を誤っているか、きちんとした矯正治療の精密検査を行わずに判断して治療をすすめているかなどが考えられます。

 

やはり、「マウスピース矯正」といえども、矯正歯科の専門医によるより専門的な診断、治療計画の立案が必要になります。kaeru02.gifbook.gifup.gif

ネット広告や過剰な利点ばかりを強調した広告などの影響で・・・

「手軽にできる、容易に矯正治療ができる」と誤解を生みやすい面があるようです。

しかし、実際は何でもかんでも、どんなケースも治せるという訳ではなく、適さないケースや慎重に適応しなければならないケースもあります

 

また、

「マウスピース矯正のみで治るケース」

「マウスピース矯正単独では難しいが各補助装置を併用すれば可能なケース」

 

などもあります。

 

では、どのようなケースが適応と考えられるのでしょうか?

症状や状態について、精密な検査・診断を十分行う必要があります。

装置ありき!ではなく、その状態を良くするためには何が適しているか?

症状に対して、最適な装置を選ぶという過程、プロセスが必要になります。(ココ重要book.gifkaeru02.gifup.gif

 

例えば、歯列のアーチ(幅)を広げたり、奥歯を歯列の奥へ押し返す移動などはアライナー矯正では効果的に働きます。b-hare.gif

 

逆に便宜抜歯(主に小臼歯)を行い前歯を大きく引っ込めなければならないケースや逆に奥歯を手前に移動させるケースは治療が難しい場合があります。b-kumori.gif

 

必ず言えることは「出来上がってきた装置を順番にただ入れれば全て治るものではない!」ということです。アライナー矯正がオートメーションな矯正のように思っている患者様も医師もいるようですが、それは大きな誤解です。

 

きちんとした矯正歯科の専門的な知識、専門的な技術や難しいケースに対するフォローアップが出来なくてはなりません。nurse.gif

必ず、メリットデメリット、出来ること出来ないことがあります。

 

当院でもマウスピース型矯正装置をしようした「アライナー矯正」の患者様も多くいらっしゃいますが、必ず、メリットデメリットを十分説明しております。

 

精密検査後、適していないケースは、なぜアライナー矯正が向かないのか?を診断結果に基づいてご説明して、無理したアライナー矯正をすすめることはしません。kaeru04.gif

また、アライナー矯正単独では難しい場合は、補助器具のコンビネーションやアフターフォローを取り入れて治療をすすめます。book.gifbye03.gif

 

正しい矯正治療のために、正しい情報提供を心がけています。

疑問点や不安点などございましたら、お気兼ねなくご相談にお越しください。

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター

村田正人

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部分矯正 適応 正しい知識

横浜駅前 当院は、横浜駅からすぐの一般歯科を併設した矯正歯科専門の施設です。地域に根付いて40年以上に渡る歴史ある歯科医院です。村田歯科医院内の「村田歯科 横浜矯正歯科センター」では、矯正治療専門の歯科医による舌側矯正マウスピース矯正顎変形症(保険の矯正)などより専門的な矯正歯科治療にも取り組んでおります(矯正専門医常勤)。矯正専門外来は土曜日も診療を実施しております。 同施設内には、一般歯科も併設しております。

 

「最近、部分矯正ではできますか?」などのご質問を受けることがあります。icon_biggrin.gif


また、「部分矯正」を前面にだしているクリニックもあるようです。

「部分矯正」とは、歯並びで「特に気になる部分だけ」「前歯の気になる箇所だけ」を治療する方法です。

「部分矯正」「最新の新しい治療」「特殊な治療」と称している宣伝や謳い文句をネットなどで目にすることもあります。ga-n01.gifkumo.gif

 

色々、迷ってしまいますよね。


ここでは、「部分矯正」について、矯正歯科の専門医として、正しい知識や概念をすこしでもお話できたらと思います。

 

部分矯正という特殊な治療技術があるわけではありません。!!

部分矯正という言葉は、昔からあり、補綴前処置(ブリッジや被せ物をよりよくする全治処置)として行われてきました。kaeru01.gifup.gif(←ココポイント)

 

部分矯正では、歯並びがキレイに整っていることの中でも、部分的な「前歯がキレイに整っている」ことをゴールにすることがほとんどです。

前歯の並びはその人の笑顔に影響し、第一印象を決める要素であり「一番目立つ前歯を治したい!」と思われるかたも多いかと思います。b-onegai.gif

矯正歯科での部分矯正を適応する場合は以下のような場合が考えられます

  • 診断の結果、奥歯の咬み合わせは問題なく、前歯のみの改善で良好な結果が出せる場合(あるいは、奥歯の一部のみの改善で十分な場合)
  • 部分的な治療だけでも十分な結果が得られ、かつデメリットが少ない場合
  • 患者様の希望、都合により全体矯正ができない場合
  • 昔、全体の矯正治療を行ったが経年変化で前歯がズレたので前歯だけでも再治療したいとうい場合

などです。つまり、部分矯正とは限局した範囲で行う矯正治療で、全てが改善されるというわけではありません。(「限局矯正」、「MTM」などということもあります)kaeru08.gif

部分矯正では全体の矯正治療に比べて、文字通り部分ですから許容範囲の限界もあり、解剖学的見地から考えても「仕上がりの完成度は低く」なります。

ここで、「部分矯正」の「適応」や「向き不向き」について、以下にまとめてみました。

部分矯正では「患者様の希望(ニーズ)」と「医学的根拠や解剖学的見解からの許容範囲」とのの擦り合わせが必要になります。kaeru02.gifup.gif(←ココもポイント)

 

<部分矯正の適応(また、適応する場合)について>

  1. 奥歯の咬み合わせなど、前歯のみなど治したい部分以外に大きな問題がないこと。
  2. 諸事情で、奥歯のズレがあるのはわかっているが、今回は前歯のみ早期に治したい、また、全体矯正より「仕上がりの完成度は低い」ことに同意していただける方
  3. どうしても、治療費を抑えたい、前歯だけでも並べたいことを希望される場合
    部分矯正を行うことで、それ以外の歯並び・咬み合わせにとってマイナスにならないこと
  4. 転勤や結婚式前など、治療期間が限られてしまっているかた
    補綴前処置(ブリッジ、インプラントや被せ物をよりよくする前処置)が治療目的であること
  5. 歯周病などで前歯が隙っ歯になってしまっている場合
  6. 特に前歯などガタガタ多く、歯磨きし辛いため、歯周病になりやすい状態の改善
  7. 下アゴを前後左右に動かした時に、アゴの関節と調和にて運動ができ、負荷がかからないバランスになっていること。
  8. 歯や歯の周囲の組織の状態が安定していること。
  9. ムリな咬み合わせになっていないこと咀嚼運動(食べものを噛む)のとき、舌を噛みやすくなってしまわないこと

などが挙げられます。

<部分矯正ができない場合(部分矯正をやらない方が良い場合)について>

  1. 重度の歯列不正がある場合(全体の矯正治療でないと逆に良くない咬み合わせになる)
  2. しっかりした、咬み合わせや歯並びの治療を希望する場合
  3. 部分矯正を行うことで、該当箇所の歯はキレイに並ぶが、それ以外の歯並び・咬み合わせにとってマイナス面が多くなる場合。
  4. 上下アゴの骨格的なズレが著しい場合(顎変形症)
  5. 重度の開咬で舌のクセが著しい
  6. 口元の突出感があり、これを改善したい場合(E-lineの改善)

などです。

当院では、「部分矯正」でも必ず、精密検査を行い分析・診断を行います。

そして、診断もせず安易に「安く早くできる」「費用も安くできる」という理由で部分矯正をお勧めすることはありません。

必ずメリット・デメリットをご説明します。

 

また、部分矯正に使用する装置も、従来の表側の装置に加えて「舌側(裏側)矯正装置」「マウスピース型矯正装置」など、多種多様な装置が適応できますb-hare.gif

 

そして、治療中・治療直後のお話だけでなく、中長期な予後に起こりうるメリット・デメリットもご理解いただいた上で、治療を開始していただきます。nurse.gifup.gif(←ココもポイント)

時には、部分矯正が向かないケースもあります。

  • 部分的な矯正治療によって、もともとの歯並びや咬み合わせを大きく崩すことにならないか?
  • 本来、全体矯正が望ましいが、部分矯正に変更したことでのデメリットはどのくらいか?または、どの部分が妥協点になるか?
  • 部分矯正で治せる範囲をきちんとご理解頂けているか?

など、充分理解、同意していただいての治療開始となります。

 

なんでもかんでも、「部分矯正」ということではありません。
また、決して「部分矯正」を否定しているわけでもありません。

 

どんなことにも向き不向きがあると思います。メリットや良い事ばかり目が行きがちですが、しっかりと正しい状態をご理解いただいた上で、治療にのぞんで頂きたく思っています。

 

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター

村田正人

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顎変形症 外科矯正治療 保険適応 指定医療機関

横浜駅前 当院は、横浜駅からすぐの一般歯科を併設した矯正歯科専門の施設です。地域に根付いて40年以上に渡る歴史ある歯科医院です。村田歯科医院内にある矯正歯科専門の「村田歯科 横浜矯正歯科センター」では、矯正治療専門の歯科医による舌側矯正、マウスピース矯正や顎変形症(保険の矯正)などより専門的な矯正歯科治療にも取り組んでおります(矯正専門医常勤)。矯正専門外来は土曜日も診療を実施しております。 同施設内には、一般歯科も併設しており、一般の虫歯治療、詰め物・かぶせ物(ブリッジやクラウン)、抜歯などの口腔外科処置、小児歯科処置や歯周病治療なども併設の施設で受けることが出来ます。院では保険適応の場合でも、表側の透明な見えにくい装置を使用しています。

 

当院は自立支援指定医療機関・顎機能診断施設となっています。

矯正治療でも健康保険の適応になる「顎変形症(外科矯正)」の患者様も多く通院されています。

外科矯正(顎変形症)治療は、かなり以前より行われてきました。内容としては、決して、新しい治療ではないのですが、ただ、健康保険の適応になったのは20年くらい前だったかと思います。b-hare.gif

 

保険適応になってから、また、ネット社会になってから、皆様により知られるようになりました。今まで、きちんと治せずに悩んだり、困っていた患者さんも治せるようになってきたのも事実です。

ただ、ネット情報の充実化に伴い、個人的な考えや見解なども含め間違った情報も増え、これから治療を考えている患者さんの迷いや誤った認識も増えているように感じます。ga-n01.gif

 

当院では、出来るだけありのままの正しい矯正治療の情報提供を心がけお伝えしてきておりますkaeru01.gifbook.gifup.gif

 

「顎変形症(外科矯正)」の治療について記述させていただきます。

 

上下のアゴ(もしくは、上のみ、あるいは、下のみ)で骨のバランスが著しくずれている場合を言います。歯で対応出来る正常範囲を超えて骨格のズレが大きい場合です。この場合は、歯の矯正だけでは噛み合わせをきちんと治すことができません。

このようなタイプの不正咬合を「顎変形症」といい、外科矯正治療(手術併用)の適応となります。book.gif

アゴの骨は歯並びをきちんと整列させる土台です。これは、歯槽骨歯槽突起といい、この範囲内で歯を動かす治療が通常の矯正治療(手術なし)ですが、土台となるアゴのズレが著しい顎変形症では、歯の矯正のみで、噛み合わせをきちんと治すことが困難ですので、元になる上下アゴの骨のバランスを手術を行い治すことになります。

症状の代表例としては以下のような場合があります。

  • 下アゴの先端が極端に長い
  • 横顔のバランスで顔の中央が引っ込んでいる・・・ムーンフェイス
  • 奥歯のかみ合わせが左右に極端にずれている
  • 上下の歯並びの正中線が不一致
  • 正面から見た顔貌が左右非対称となっている
  • 下アゴが下がっている(小さい)・・・バードフェイス
  • 「いびき」をかきやすい、または、睡眠の質が悪く起きてしまう・・・気道が狭い
  • 極度のガミースマイル(笑うと歯ぐきが極端に見える)

などです。ここで挙げたのも数例です、その他、様々な症状があり多種多様になります。

 

外科矯正(顎変形症)治療では、顎骨の手術によって上下の歯列の位置関係を合わせると同時に、顔貌骨格のバランスの改善も得られることとなります。b-ganba.gif

逆に、大きな骨格的なアゴのズレ(顎変形症)を無理に手術しないの方針で矯正とした場合、治療期間が長引きやすいばかりか、無理な噛み合わせや歯軸(歯の傾斜)での治療を余儀なくされ、うまくかみ合わない可能性もあります。

 

また、土台となる骨に対し、著しく無理な位置まで歯の移動を行うと歯周病的なリスクなども高まります。

この場合、通称「カムフラージュ」治療といい、アゴのズレは改善されません。ga-n01.giff02.gif

外科矯正は、矯正治療の途中で入院手術を行う点と、健康保険適用の点で、特殊性が感じられるかもしれません。

 

また、指定を受けていない矯正歯科では、少々のアゴのズレがあっても外科矯正治療を行わない矯正歯科もあるかと思います(この場合、保険適応にはなりません)。

顎変形症を手掛ける矯正歯科医(指定医療機関)にとっては一般的な矯正治療方法の一つであり、どちらの方針にせよ、適切な方針選択がなにより重要になります。

 

また、外科矯正(顎変形症)治療を受けるためには以下のようなことをご理解いただく必要があります。

  • 矯正歯科での顎変形症の保険治療は、自立支援医療機関(育成・更生医療)の指定を受けた、専門の医院や病院で無くてはならないこと
  • 矯正歯科専門医院であったとしても指定医療機関でないと自費となり高額になってしまいます。
  • 矯正装置を付けて治療をする必要性がある。
  • 治療期間は、通常の矯正治療と同じくらいの期間が必要になります。通常2~2.5年くらい装置を装着、その後、保定期間2年程度
  • 装置は使用できるものに制限があります(健康保険適応の場合)

以上のことを踏まえて、見た目も、「咬む」という機能も治療し、長期間の安定した咬み合わせを獲得したいという場合は、顎変形症(外科矯正)治療としての
治療が必要になるかと思います

 

ちなみに、当院では保険適応の場合でも、表側の透明な見えにくい装置を使用しています。ワイヤーもシルバーではなく、より目立ちにくいゴールドです。

 

村田歯科医院/ 村田歯科 横浜矯正歯科センター

村田正人

 

 

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