アーカイブ: 2月 2022

クイック矯正? セラミック矯正? ラミネートへニア矯正? それって矯正治療(歯列矯正)なの? 

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科 です。

 

今回は、「矯正歯科治療」について御説明します。

「そんなの知ってます」「わかっています」という方もいらっしゃるとは思いますが・・・・((´;ω;`))))))

「セラミック矯正」「クイック矯正」「ラミネートべニア矯正」

などという文言をネット広告などで時折目にすることがあるかと思います。

 

患者様からのご相談でも・・・・

「セラミック矯正はどうなんですか?」

「ワイヤー使う矯正をどう違うのですか?」

とのご質問を受けることがあります。

 

結論から言うと・・・

「セラミック矯正」「クイック矯正」「セラミッククラウン法」(←造語です)

という矯正歯科治療はありません。

 

対比するために使われることがある「ワイヤー矯正」というのも造語です。

「ワイヤー矯正法」とうい方法があるわけではありません。

「治療初日から理想的な歯並びが手に入る」

「わずかな時間で矯正ができる」

「通院3,4回で終わるクイック矯正」

「短期間で出っ歯が治る」

「短期間で歯並びが美しくなる」

「通院2,3回すぐ終わるセラミック矯正」

「安く、早く理想的な歯並びになれる」

 

などといった表現や宣伝文句も目にすることがあります

 

短時間(2,3回の通院など)で矯正が終わる = 矯正歯科治療ではない!!です

 

きちんとした矯正治療は、歯列不正(不正咬合)が軽度な場合でも最低でも半年以上かかるものなので、魔法や手品のように短時間で終わるという矯正治療は、どう転んでもこの世に存在していません。

 

セラミック矯正とはこのように健康な歯を大幅に削り、補足してその上からセラミックの歯を被せるという方法です。

 

この処置ですと、歯並びの悪い箇所を限界まで削り、そこを隠すために、歯の頭の部分(歯冠)を削りセラミックで覆います。確かに短時間、短期間で見た目の歯並びは良くなります。

 

虫歯など処置の必要ない歯では、限度量以上に歯を削ると歯の寿命が大幅に縮むみます。さらに神経を処置するとさらに寿命が縮みます。

 

セラミック矯正やクイック矯正などは矯正治療ではなく、健康な歯を大幅に削り、場合によっては神経を抜き、上からセラミックを被せる方法です。

歯の根っこ(歯根)の向きはガタガタなままです。

 

当然、早く見た目は良くなるという利点はありますが、その分、歯に伝わる力が負担過重になり、将来的に歯が悪くなりやすい場合などの欠点もあります。

健康な歯を削り、神経を処理ことでアナタの歯の寿命は確実に縮み、若くして総入れ歯になるリスクは非常に高くなります。(← ココポイント★)

 

健康な歯を大幅に削ること、必要のない神経を処置(抜髄)することのリスクを知らずにこの治療を行ってはいけません

もし、この治療法を受ける場合はそうしたリスクやデメリットを理解した上で施術を受けてください。

 

また、削った歯の上からセラミックを被せるということは、被せ物(セラミック)の寿命が過ぎたら、次はまた更に歯を削らなければセラミックを装着できません。

 

どんなに精密な被せ物(クラウン)を入れたとしても、歯を削ったり、神経を摂ることで虫歯のリスクや再治療のリスクが高まります。

必ず、歯と被せ物の間には、接着面(境目)が出来ますし、天然の歯にはかないません。

 

セラミックを使って短時間で白い歯を手に入れるという考えは非常に魅力的です。

綺麗な自分の歯を削ってでも・・・・諸事情により・・・

「どうしても短時間で見た目を綺麗にしたい!」

「どうしても矯正装置を長期つけたくない」

「もともと、虫歯で被せ物(クラウン)や差し歯が口の中に多い」

という方は良いかもしれません。

確かに短時間で治るということはストレスが減るかとは思います。見た目を主目的に治療する審美歯科では精神医学上の大切な役割もあると思います。

「セラミック矯正」は補綴処置といって短時間では治ったように見えます。

しかし、こうした、セラミック矯正のリスクをしっかりと抑えて、それでも尚且つこの方法で治療を行いたいという方には有効な治療だとは思います。

 

歯並び(歯列矯正)で迷っている方は、以下の事を考慮すべきかと思います。

 

・矯正歯科の専門医が居る歯科医院に相談する。

・矯正歯科の精密検査を行える医院である。特に診断にはセファログラム(矯正用のレントゲン)の分析を行う医院であること

・実績は日本矯正歯科学会の認定医や指導医などの歯科医師が治療に当たる事、また、自立支援医療機関の指定を受けた矯正歯科も参考になる。

・もし、セラミック矯正を行いたい場合は、メリット、デメリットもしっかりと話してくださる歯科医を選ぶべき

・通常の表側や裏側(舌側)の矯正装置(ワイヤー矯正)やマウスピース矯正装置などを選択しとして入れる。

 

となります。

 

なるべく矯正器具を着けたくない、今すぐに歯並びをなんとかしたいという気持ちはわかります。そもそも、出来る事なら(必要ないなら)矯正治療をしたいという人はいないですよね。必要だから治療を検討したり、施術を受けたりするものです。

 

 

良くも悪くも様々な情報が溢れている現代だからこそ、メリット、デメリットを含め正しい情報を選ばなくてはいけません。

 

要は、良く情報を吟味し、正しい情報を得て納得した上で治療を受けてください。

矯正歯科治療(歯列矯正)は、原則として自分の歯を使って、歯並びや咬み合わせを治す治療です

 

情報が溢れる時代からこそ、正しい情報が必要です。

今後とも微力ではございますが、正しい情報発信に努めていきたいと思います。

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受口(反対咬合)の治療について

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センターの村田正人です。

新型コロナウィルス感染症 オミクロン株の猛威がつづきますね。油断せずに1つ1つできる予防策を講じていきたいと思います。

 

先日、「地域の歯科検診で受口を指摘されたので!」

とのことで、お子さんといっしょに相談に来られた方がいらっしゃいました。

そこで「受口」について、症状や治療のタイミングなどについて説明していきたいと思います。

 

まず、受口と言いますと「下アゴが出ている」

真っ先にそういったイメージを持たれる方が多いと思います。

「受口」とは前歯が反対に噛んでいる「反対咬合」の俗称です

前歯が反対に噛んでいる状態は

「下アゴが大きい場合」

「上アゴが小さい場合」

「上アゴが小さく、下あごも大きい場合」

などなど、様々であり治療方針や使用装置も状況に応じさまざまです。

 

日本人には、反対咬合の患者さんが多いと言われています。下アゴだけでなく、日本人は欧米系の方と比較して、上アゴの成長が弱い傾向にあると言われています。

また、アゴや顔の周り(顎顔面領域)の成長傾向は「優性遺伝」です。

親御さんが反対咬合の状態だと、お子さんも反対咬合になる確率が高い傾向にあります。

後にもでてきますが、「骨格性の反対咬合(顎変形症)」の場合は遺伝的要因がとくに強いです。ご両親のどちらも「骨格性の反対咬合」ではなかったとしても、ご親族の中でどなたかいらっしゃれば、その傾向が発現されることもあります。

もし、遺伝的に骨格的な反対咬合ではなくても、上アゴの成長が始まる時期(小学生低学年~)に反対咬合を放置すると環境要因により「骨格的反対咬合」になってしまう場合もあります。下アゴの成長と身長がのびるのは同じ時期です。身長が著しく伸び始める第2次成長期の前に前歯の反対をなくすことがとても重要になります。

 

上記を踏まえて申しますと・・・・

 

ベストは、、早めの時期からのアプローチや経過観察をおすすめします。

遅くとも「9歳」までには治療を始めることが必要とお考えください。

ただ、

「わかっていたけど中々治療するタイミングがなかった」

「かかりつけの一般歯科で指摘されなかった」

「そもそも歯科に行くことがあまりなく放置してしまった」

「成人になったのでもう治らないと思っていた」

等々、諸事情もあるかと思います。

そこで、ご自身やお子さんが、今、どの段階にいらっしゃるのか?段階に分けて目安を挙げてみます。

 

決まりがあるわけではありませんが、以下では段階に応じてわけてみます。

 

第1段階(5~6歳):この時期の反対咬合は、本格出来な矯正治療に入る前の段階です。機能的な装置などを使用して、反対咬合による舌のクセや筋肉のバランスの不調和の改善を試みます。以前は、前歯が永久歯になる時に治ることもあるからまだ早いと言われていた年齢です。今でも「まだ早い」とおっしゃる先生もいるかもしれません。確かに歯並び改善ということでは、自然に治ることもあるかもしれません。しかし、この考え方は古い考え方です。反対咬合が続くことで舌のクセや口腔周囲筋の不調和が助長される可能性が高くなります。クセを治すのは非常に時間がかかる場合もあり、装置が使える年齢になったら、反対咬合は出来るだけ早目に改善する方が良いです。

 

第2段階(6~9歳):この段階では、本格的な矯正治療が必要になります。「第1期治療」や「小児矯正」などと呼ばれます。この時期は、ちょうど上アゴの成長期です(下アゴは身長が伸びる時期に成長します)。特に上アゴが小さい場合の反対咬合はこの時期のアプローチが有効です。アゴのアーチを広げたり、上アゴの成長を利用して上下アゴの不調和を改善していきます。また、上アゴが小さくなくても反対咬合を放置すると上アゴの成長が下アゴに阻まれ、結果、反対咬合ひどくなる場合(骨格性)もあります。必ず、前歯が反対に噛んでいる反対咬合を改善しておく必要があります。

 

第3段階(9歳~成長停止まで):この時期は、「第2段階」にあるように前歯の反対は治します。ただし、この時期は、下アゴの成長期を迎えます。骨格的は下アゴの成長傾向が強い場合(骨格性の反対咬合)は、身長の伸びが止まるまでは油断できません。骨格性の成長傾向が強い場合、一度、矯正治療でキレイに改善されても、下アゴの成長期にまた反対咬合になってしまう場合があります。永久歯での矯正治療開始のタイミングは、成長の経過観察も行いながら決めていきます。もちろん、骨格的な要素が薄い場合は、永久歯交換を見据えて通常の矯正治療を開始します。

 

第4段階(成長停止以降~):永久歯での矯正治療となります。この場合、治療方針としては、2タイプに分類されます。それは「反対咬合が骨格性であるか?ないか?」です。骨格性とは「上下のアゴは正常な歯の角度(歯軸)で対応しきれないほどズレている(上下アゴの骨格が反対)」ということです。これは「顎変形症(がくへんけいしょう)」という診断のもと、通常の矯正治療に加えて、アゴの手術(外科矯正治療)が必要になります。骨格性ではない場合は、歯だけの反対になりますから、通常の矯正治療だけで改善されます。また、「顎変形症」は、指定医療機関では保険適応になります。

 

1点、反対咬合の治療では、注意すべき点があります。

治療段階の項目でも述べたように、状況によっては、何をしても下アゴの成長が抑えられない場合があるということです。

下アゴが成長するときと身長が伸びる時の成長のピークはほとんど同じです。身長が伸びる時に下あごも前に成長してくるということです。

 

子供の頃に上下の前歯の反対咬合をしっかり治しておくとある程度は下顎の成長は抑えることができます。

しかし、下アゴの成長が著しい方(骨格性の反対咬合)は、それでも抑えることができない場合があります。そのため受口(反対咬合)の治療は、ケースによっては、長期間の経過観察が必要な場合も多々あります。

 

ご自身やお子様がどういったケースで、どのようは治療方針が適切なのか?焦らずしっかり治していくことが重要になります。

まとめると・・・・

  1. 日本人は上アゴの成長が弱い傾向にあり反対咬合になりやすい
  2. 反対咬合の治療は早めがベスト
  3. 遅くとも9歳までには治療開始が必要
  4. 骨格性反対咬合の傾向がある場合は長期的経過観察が必要
  5. 遺伝的要因の場合もあり親族でも確認が必要
  6. 骨格性反対咬合の場合でも外科手術併用によりしっかり治せる

 

以上のようになるかと思います。

いずれにせよ、気になるタイミングがあれば、早めの受診をおすすめいたします。

一度、ご相談ください。

 

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター

(自立支援医療指定医療機関・顎機能診断施設)

 

村田正人

 

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