当院は横浜駅前に根付いた開院40年以上の実績のある医院です。矯正歯科(専門外来)と一般歯科を併設した歯科医院です。自立支援(育成・更生)医療機関の指定を受け、より専門的な健康保険適応の顎変形症や特殊疾患の治療も行っています。
当院では、緊急事態宣言解除後も新型コロナウィルス感染症対策を緩める事なく、日々の診療にあたっています。
今回は、「マウスピース矯正」「アライナー矯正」についてです。
最近では、どこの医院でも目にするようになりました。インビザラインが有名ですが、じつはマウスピース矯正装置は、20年以上前から存在していました。
当初は今とは精度や材料も違い、とて矯正器具とはいえるものではなく、矯正治療後の後戻りに対応する補助装置や1、2歯のみの部分矯正用としてのものでした。
今や、矯正歯科専門施設だけでなく、どこの歯科医院でも扱いが見られるようになりました。そして、代表的な「インビザライン」だけでなく、各社こぞって「マウスピース型矯正装置」を販売し特徴を強調した宣伝も多くみられるようになりました。
また、それに伴い「トラブル事例」も歯科医師会などの窓口にも寄せられているそうです。
「なかなか治らない」
「並べただけでそれ以上治らない」
などの相談もあるそうです。それらは、適応ケースの判断を誤っているか、きちんとした矯正治療の精密検査を行わずに判断して治療をすすめているかなどが考えられます。
やはり、「マウスピース矯正」といえども、矯正歯科の専門医によるより専門的な診断、治療計画の立案が必要になります。
ネット広告や過剰な利点ばかりを強調した広告などの影響で・・・
「手軽にできる、容易に矯正治療ができる」と誤解を生みやすい面があるようです。
しかし、実際は何でもかんでも、どんなケースも治せるという訳ではなく、適さないケースや慎重に適応しなければならないケースもあります。
また、
「マウスピース矯正のみで治るケース」や
「マウスピース矯正単独では難しいが各補助装置を併用すれば可能なケース」
などもあります。
では、どのようなケースが適応と考えられるのでしょうか?
症状や状態について、精密な検査・診断を十分行う必要があります。
装置ありき!ではなく、その状態を良くするためには何が適しているか?
症状に対して、最適な装置を選ぶという過程、プロセスが必要になります。(ココ重要)
例えば、歯列のアーチ(幅)を広げたり、奥歯を歯列の奥へ押し返す移動などはアライナー矯正では効果的に働きます。
逆に便宜抜歯(主に小臼歯)を行い前歯を大きく引っ込めなければならないケースや逆に奥歯を手前に移動させるケースは治療が難しい場合があります。
必ず言えることは「出来上がってきた装置を順番にただ入れれば全て治るものではない!」ということです。アライナー矯正がオートメーションな矯正のように思っている患者様も医師もいるようですが、それは大きな誤解です。
きちんとした矯正歯科の専門的な知識、専門的な技術や難しいケースに対するフォローアップが出来なくてはなりません。
必ず、メリットデメリット、出来ること出来ないことがあります。
当院でもマウスピース型矯正装置をしようした「アライナー矯正」の患者様も多くいらっしゃいますが、必ず、メリットデメリットを十分説明しております。
精密検査後、適していないケースは、なぜアライナー矯正が向かないのか?を診断結果に基づいてご説明して、無理したアライナー矯正をすすめることはしません。
また、アライナー矯正単独では難しい場合は、補助器具のコンビネーションやアフターフォローを取り入れて治療をすすめます。
正しい矯正治療のために、正しい情報提供を心がけています。
疑問点や不安点などございましたら、お気兼ねなくご相談にお越しください。
村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター
村田正人