カテゴリ: 顎変形症
村田歯科 横浜矯正歯科センター Blog

顎に梅干しジワができる 顎が無いように見える その原因は? 治療法は?

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センターです。

当院では、舌側矯正、マウスピース矯正や顎変形症(保険の矯正)など幅広い治療を矯正歯科を専門に行う歯科医が担当致します。

 

患者さんの中でよくあるご質問ですが・・・・・

「私、口を閉じると顎の先に梅干しみたいなシワができるんです」

「口を閉じると下顎の先が膨らんで、顎が無いよういに見えるんです」

治りますか?(;^_^A

 

☆彡 ハイ!治せます! ☆彡

 

顎先の梅干しみたいなシワとは?・・・・

唇を閉じると顎の中心部分にできるシワのことを意味します。見た目が梅干しのシワに似ていることから、通称「梅干しジワ」と呼ばれます。

 

これは、ご自身の筋肉に対して、歯や顎が出ていることで、顎の下唇中心部にあるオトガイ筋という筋肉が収縮して引き起こされます。

要は歯が出ている分無理に筋肉が引っ張られるということです (´;ω;`)

(※ 年齢とともに筋肉の使い方に癖がでてくることで形成されていくこともあります)

また、生まれつき下顎の骨格が小さい方は下顎の筋肉が発達しやすく若いうちから目立つこともあります。

 

「梅干しジワ」ができる原因としては・・・・

顎の先端になぜ梅干しジワができるのか?歯並びが悪い場合(不正咬合)や骨格がずれている(顎変形症)など、いくつかの原因があります。

歯並びが悪い場合も上下顎が骨格的に悪い場合もアゴの先端部分にあるオトガイ筋に負担が大きくかかる要因があげられます。口を閉じにくい悪い歯並びをしているとそのようにオトガイ筋に大きな緊張が生まれることになります。

「梅干しジワ」ができやすい状態は、主に以下のような状態があげられます。

 

<出っ歯>・・・上顎前突症

上アゴの前歯が前に向かって過度に傾斜していて、上唇が上歯を隠しにくい状態のことです。そのため口を閉じるためには、下唇が遠回りをする状態で強く持ち上げなければなりません。そのため、下唇の下方にあるオトガイ筋が無理に引っ張られて過緊張となり、梅干しジワができやすくなります。幼少期の指しゃぶりや成長期の遺伝的要因などで、舌で前歯を押し出す癖がある場合も出っ歯になりやすいです。

歯並びのみ悪い場合も、骨格性の場合も、共に症状が現れます。

 

<唇を前歯で噛む癖>・・・咬唇癖(こうしんへき)

唇を前歯で噛むと、前歯が前に傾く原因になります。前歯が前に傾くと、口を閉じる際に上唇は前歯に乗ってしまい、下げることができません。そうなると口を閉じるには下唇を大きく引き上げることになり、オトガイ筋に負担をかけ梅干しジワを作る原因になります。

 

 

<前歯が咬んでも閉じない>・・・開咬(かいこう)

開咬とは、奥歯を合わせた際、上下の前歯が嚙み合わず、すき間が空いてしまう状態のことです。出っ歯と同様、開咬も口を閉じることが難しく、オトガイ筋に大きな負担がかかるため、梅干しジワになりやすくなります。こちらも幼少期の指しゃぶりや遺伝でなりやすいです。

 

<口ゴボ>・・・上下顎前突

口ゴボは、上下アゴの歯が出ていて、口元が全面的に前に向かって突き出ている状態のことをいいます。場合によっては、横から見ると鼻より全面に突き出ていることもあります。口を閉じようとすると、オトガイ筋に大きな緊張がかかります。遺伝のほか、成長段階で顎が長く成長したり、舌で前歯を押す癖や口呼吸などでおきることがあります。やはり骨格性の場合は手術の併用が必要な場合もあります。

 

<下アゴが出ている場合(骨格性)>・・・下顎前突(とくに骨格性:骨が出ている)

骨格的に下アゴが出ている場合は、上アゴと同じように唇が閉じにくい状態になります。特に骨格的に出ている場合(骨格性下顎)は、矯正治療のみでの改善は難しく、アゴの手術も併用しなければなりません。

 

<下アゴが引っ込んでいる>・・・下顎後退症(かがくこうたいしょう)

下顎の骨が後方に引っ込んでいると、上下の唇が離れ、口を閉じる際、下唇を持ち上げる力が大きくかかるので、オトガイ筋に負担がかかり、梅干しジワになる原因となります。下顎後退症で特に骨格性の場合は、「梅干しジワ」のみでなく、いびきをかかきやすい「睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)」を併発している場合もあり、重篤な疾患が潜んでいる場合もあります。

 

 

では、この「梅干しジワ」は、どのような「悪影響」「デメリット」につながるのでしょうか?

 

端的に言うと・・・

「梅干しジワ」 = 「口が閉じにくい」「口が閉じない」「すぐに口が開いてします」

ということです。

 

となると、口呼吸になりお口の中が乾燥しやすい状態になります。

乾燥すると口内は唾液が出にくかったり乾いたりすることとなり、菌が繁殖しやすくなってきます。菌が繁殖すると、不衛生になり歯肉炎や歯周病になったり、虫歯や口臭が発生する原因にもなります。また、前述したように骨格的な原因によるものであれば、「睡眠時無呼吸症候群(いびき)」や「睡眠の質の悪化」などの原因となり様々な疾患の誘因となりかねません。

 

治療方法としては・・・・

①歯列矯正で対応

歯列矯正は、歯並びが前面に出ている人や顎の位置に問題がある人が主に対象になってきます。

歯列矯正では、梅干しジワができにくくなるだけでなく、歯並びが整い、口元が美しく見える点です。

現在、歯列矯正には、表側(唇側)矯正装置、裏側(舌側)矯正装置、マウスピース型矯正装置など多様な装置、方法がありますが、いずれにせよ、きちんとした矯正歯科の精密検査が重要になります。

見た目や歯並びだけでなく、しっかいと骨格バランスも分析、診断した上で、治療方針や装置を選ばないと治るものもしっかり治りません。

 

②外科手術も併用して対応(骨格性の場合)

上下顎の骨格的な問題が大きい場合とは、顎が出ていたり、引っ込んでいたり、左右にずれていたりなど上下顎の不調和が大きい場合にひつようになります。「顎変形症」と診断されると指定を受けている矯正歯科では、保険適用となります(※当院も指定医療機関ですので、「保険適応」となります)

外科手術のメリットは、骨の根本から治療するため理想的な口元となることや、歯科矯正と比較し治療期間が短いことです。

 

③美容外科的な対症療法

美容外科的な対応もあります。ただし、この場合は、一時的な見た目の対応となる場合が多く、見た目重視の対象療法的な面もあります。矯正歯科での根本的な治療とは異なりますので、参考までに挙げさせて頂きます。

(ボトックス治療)

ボトックス注射が効果的なのは、主に歯並びや上下顎の骨格が原因で梅干しジワになっているのではなく、口の周りの筋肉の不調和が原因の場合となります。梅干しジワの要因であるオトガイ筋の緊張を緩めることで改善されます。そのためにオトガイ筋にボトックスを注入する方法があります。

 

(ヒアルロン酸注入治療)

基本的に顎先にヒアルロン酸を注入し、その成果としてハリができたり、顎先に高さが出ます。直接的に顎の梅干しジワを治すわけではありません。ただ梅干しジワの場合、下顎が上顎に比べ低い位置にあるので、ヒアルロン酸を注入することにより高さを出すことができます。ただし、ヒアルロン酸の注入では、梅干しジワに直接大きな変化をもたらすことができないのと、時間が経過すると体内に吸収されるので、効果を持続させるには再度施術する必要があります。

 

(筋機能療法:口輪筋のトレーニング、表情筋のトレーニング)

口輪筋は、口の周囲を囲む筋肉です。主に口を閉じる際に使う筋肉です。この筋肉を鍛えることでオトガイ筋の負担を減らすことが梅干しジワ改善に効果をもたらします。表情筋とは顔や頭などの筋肉の総称です。以下は(株)協和でおすすめの表情筋トレーニングです。
⓵ 唇をすぼめ、前に突き出し数秒キープする
② すぼめた唇を元に戻し、唇を歯で巻き込み少し外側に引くmそのまま数秒キープする
③ その後、ゆっくりと数秒かけて自然な表情に戻す
④ ⓵~③の動作を数回繰り返す     などです・・・・・

 

 

今回、顎の梅干しジワの原因や治療法、対処法などを説明させていただきました。

 

「梅干しジワ」はほぼオトガイ筋に緊張を与えてしまうことによるもので、原因は歯並びや骨格であることがほとんどです。対症療法的な対策法もいろいろありますが、長い目で見ると、根本治療することを第一選択として考えた方が良いかと思います。。

 

より良い治療法、根本的な治療法にたどり着けるかもしれません。

当院は自立支援指定医療機関(保険の矯正可能)であり、多くの下顎後退症(顎変形症)の患者様が通院していらっしゃいます。

 

村田歯科医院/村田歯科横浜矯正歯科センター

村田正人

 

 

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舌側矯正(リンガル)でも顎変形症(外科矯正)治療はできます

横浜駅すぐそばにある。自立支援指定医療機関(更生医療・育成医療)の 村田歯科医院(村田歯科 横浜矯正歯科センター)です。当院では保険適応の矯正治療にも対応できる指定医療機関です。

今回は初診相談でいらした方の質問について説明したいと思います。

時折、こんな相談を受けることがあります。

「受け口を気にしています。おそらく手術が必要なケースかと自分では思っています。装置は、裏側の装置(舌側矯正)を希望しています」

「他院でも相談したのですが、骨格性の受け口で手術が必要なので、裏側の装置(舌側矯正)では治療できません。表側の装置が適応となります。」と・・・・

 

どうなんでしょうか? 当院の見解としては・・・・

「できます!!」☆彡

ただし、保険適応できるかどうかというと・・・・・

舌側矯正装置(リンガルブラケット)を使用した顎変形症治療では、保険適応にて対応する医院はほとんどないと言えるのではないでしょうか?

なぜでしょうか?

 

舌側矯正装置(リンガルブラケット)は、各患者様ごとにほぼオーダーメイドで作製します。

製作にはやや高額は費用がかかります(;^_^A

そして、審美的に見た目を配慮した矯正装置となります。

健康保険では、審美目的の舌側矯正装置の製作費用までは支給されません。

保険適応の場合は、国の税金を利用するため、その病気を治すために最低限必要な費用しか算定されません。

逆を言えば、治療効果としては、その費用(健康保険)で賄える装置や医薬品で十分な治療ができるということです。

あくまで、審美目的の部分は、自費(自由診療)診療となるわけです。

 

以上の理由から、顎変形症(保険適用)治療のケースでは、舌側矯正装置(リンガルブラケット)を適応していないということです。

または、適応していないというクリニックがほとんどということです。

 

また、患者様目線の疑問、質問から考えると・・・・

「舌側矯正装置の製作費は別に出すから、舌側矯正装置で治療してはもらえないんですかあ?」

と・・・・・ これも正確にはダメなんです・・・・

 

矯正装置であるブラケットやワイヤーは、歯ブラシやはフロスのように「物販品」ではありません。

基本的には「医療用具」です。それだけ販売するということは、本来のルールではできません。また、「自由診療分」と「保険診療分」が混ざるので混合診療となります。

 

※ 混合診療とは、保険診療と自由診療を併用することを指し、日本では原則として禁止されています。「保険診療」と「自由診療」を組み合わせて使用する方法のことです。 現在、日本では「必要かつ適切な医療は、基本的に保険診療により確保する」という理念の国民皆保険制度による医療が行われています。 「混合診療」はこの理念にも反するものとして、現在は禁止されています。

 

このようなことから、舌側矯正装置(リンガルブラケット)を使用する顎変形症治療は扱っていない(= 出来ない)という設定をしている矯正歯科医院がほとんどになります。

 

医院にもよりますが、治療自体ができないことはありません

 

当院でも「舌側矯正装置(リンガルブラケット)を使った顎変形症治療」を行ったケースは多々あります。

ただし、すべて自由診療(自費)の費用になってしまいます。

確かに繊細な技術が必要になってしまいます。許容する医院もそれぞれですが、

費用面だけクリアできれば、舌側矯正(リンガル)でも顎変形症(外科矯正)治療はできます。

 

前にも言いましたように当院では舌側矯正での顎変形症治療も対応しております。

舌側矯正(リンガル)での顎変形症(外科矯正)治療について知りたい、治療したい

という方はお気軽にご相談にいらしてください。

 

村田歯科医院/村田歯科横浜矯正歯科センター

 

 

 

 

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睡眠時無呼吸症候群(顎変形症、下顎後退症) と 矯正治療

村田歯科医院/村田歯科  横浜矯正歯科センター です。

だいぶ気温が上昇してきました。今年は梅雨らしい梅雨はないのでしょうか?

その代わりに台風がすでに接近してきましたね。今後の気象状況はどうなってしまうのでしょうか?

いずれにせよ、暑くなるこれからの時期は水分補給に努めて、熱中症対策も忘れずにしてくだい。

 

さて、暑くなれば「熱帯夜」「寝不足」という構図がみえますが、「睡眠の質」に関する病態を矯正歯科でも扱うことがあります。

顎変形症(下顎後退症)に付随した「睡眠時無呼吸症候群」です。

特徴としては、睡眠時の「いびき」や「呼吸停止(無呼吸状態)の頻発」があり、睡眠の質が低下してた結果、「日中の眠気」「居眠り」「頭痛」「倦怠感」などを引き起こします。

睡眠時に呼吸が止まるなど異常な呼吸がおき、自分でも気が付かないうちに、色々な障害を体に及ぼす病気です。

睡眠時無呼吸症候群の原因には様々な要因があります

 

①咬み合わせや骨格的な要因による場合

⇒ 特に、骨格的な要因は根本的な治療が必要不可欠となります。

まずは、睡眠外来や睡眠時無呼吸症候群対応している耳鼻咽喉科などで検査をおこな

います。その後、症状の重症度にもより「シーパップ療法」、睡眠時無呼吸症候群の診

断をされた医師からの歯科にて作製する「マウスピース療法(スリープスプリント)」

などの治療法を行います。ただし、これらのシーパップ療法やスリープスプリント治療

は、主に対症療法になります。もし、歯並びや咬み合わせに合わせて、骨格的な要因が

顕著な場合は、これらの対症療法で一時的な改善はあるかもしれませんが、根本的な治

療にはなりません。

 

② 睡眠時の喉の閉塞が原因の場合

⇒ 仰向けで寝ているときは舌が沈み、上気道といわれる鼻腔や口腔が狭くなります。さ

らに口腔内のバランス(歯並び・噛み合わせ)が崩れていると、舌が喉の方に下に下

がるなど口咽部からの圧迫から上気道が閉鎖され、無呼吸を起こしてしまいます。

 

③ 歯並びのみの改善では治療が困難な場合(骨格的な要因)

⇒ 骨格的な要因とは、顎変形症(下顎後退症)との診断になった場合です。

この場合、根本的な治療は、矯正歯科治療と外科手術(骨切り術)の併用による改善

が必要になります。

 

骨格的な要因、歯並びやアゴの位置などを気にして、矯正歯科を受診して、顎変形症(下顎後退症)との診断となり、結果、睡眠時無呼吸症候群の傾向がわかったという場合もあります。

顎変形症(下顎後退感)を気にしていて、矯正歯科にて顎変形症(下顎後退症)の診断を受け、結果、気道狭窄(気道が狭い傾向)がみつかり、睡眠外来などでも検査を行った結果、睡眠時無呼吸症候群の併発が明らかになる場合もあります。

最近では、東洋系(アジア系)の女性は下顎が後退し、小さい傾向があり、睡眠時無呼吸症候群の予備軍の方が多いという見解もあります。

 

症状がどの程度のものか?何が原因とかんがえられるか?は、診断をして詳しくわかることにですが・・・・

「アゴが無い、小さく感じる」

「いびきがひどい」

「睡眠中に喉のつまり感 や 咳でおきてしまう」

「起床時の疲労感(寝た気がしない)」

「飲み込みづらい」

「アゴが下がっているきがする」

「睡眠時に呼吸が止まり起きてしまう感覚がある」

 

「唇と閉じるとアゴの先端に大きなシワ(梅干し様)が出来る」

 

などなど・・・・の気になる症状があり・・・・・

 

気になる症状があれば、まずはご相談にいらしてみてください。男女問わずに睡眠時無呼吸症候群傾向がみつかるかもしれません。

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター

村田正人

 

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顎変形症 手術をしない方がいい? 手術をした方がいいい?

横浜駅西口から徒歩30秒 村田歯科医院です。

当院は、横浜駅前にて開業50年を迎える歴史ある医院です。

村田歯科医院内にある矯正歯科専門外来の「村田歯科 横浜矯正歯科センター」では、矯正歯科治療を専門に行う歯科医による舌側矯正、マウスピース矯正や顎変形症(保険の矯正)などより専門的な矯正歯科治療にも取り組んでおります。

 

当院では「顎変形症」についてお悩みの患者様も良くご相談にいらっしゃいます。

 

そんな患者様のなかで・・・・

手術した方が、結果が良いですか?

それとも、手術しない方が良いですか?のご質問を受けることがあります。

確かに誰でも顔や顎にズレや非対称はあります。全く対称な顔の方はほとんどいません。

そもそも、積極的に手術をしたい人はいないと思います。((*_*))

いや、そもそも、矯正器具をつけて矯正治療を好んでしたい人もいないと思います。

必要だから、矯正治療を受けるのだと思います。

 

手術についても「必要なケース」だから、手術も併用した矯正治療(外科矯正治療)を行うわけです。

 

診査・診断の結果、歯並びや咬み合わせの治療が必要な状態(通常の矯正治療)に加えて、上下のアゴ、もしくは、上アゴまたは下アゴに著しい骨格的なズレ(骨のズレや変形)を伴っている患者さんには、アゴの手術も併用し正常な範囲への改善が必要となります。

また、指定医療機関で矯正治療を行う場合に健康保険が適応になります。

 

見た目の判断だけではありません。必ず、顎変形症治療(保険適応)の専門的医療機関での診断が必要になります。

 

 

簡単に言うと・・・

①「診断・治療計画上、上下顎の骨格的不調和が顕著で、手術を併用した方が望ましい患者さん」 

②「診断・治療計画上、上下顎の位置が正常範囲内で、手術の必要がない(歯並び・咬み合わせだけが悪い)患者さん」

 

とに分かれるわけです。

その上で、本当は手術が望ましい、「診断・治療計画上、上下顎の骨格的不調和が顕著で、手術を併用した方が望ましい患者さん」 の中で、手術をするか迷う患者さんもいらっしゃるかと思います。

 

そこで「手術した方が良いか?しない方が良いか?」という疑問、質問が生まれてくるかと思います。

しかし、「手術併用が望ましい・・・・」という診断になった方は、根本的に骨格的なズレがあるわけですから、「手術をした方がいい」ということは変わりません。

 

 

しかし、その点(骨格的なズレはあるけども)を分かった上で、

(´;ω;`)ウッ…「手術までは大変そう」

「手術するほどまで気にしていない」

「そこまではしたくない」という・・・・(´;ω;`)ウッ…

 

患者さんの意向で「手術はしないで、矯正治療だけでできるところまで治す」という選択肢を選ぶ方もいらっしゃいます(通称:カムフラージュ治療ともいわれます)。

 

もちろん、この場合は骨格的ズレは治りません。時々、「最近では多用されるようになってきた矯正用アンカースクリュー(矯正用インプラント)を使用すると以前では、外科手術(外科矯正)になったケースも手術なしで、治療できるようになった」

などという記事を目にすることがありますが、「矯正用アンカースクリュー」を使用しても骨格のズレはな治りません。

 

手術併用が望ましい(骨格的ズレが著しい)患者さんが、手術なしで矯正治療を行う場合、あるところまでの仕上がり、治療効果だったのが、矯正用アンカースクリューを併用すると以前の治療効果よりは、より良い仕上がり、効果が得られたということが正しいと思います。手術なしで出来るところまで!ということになります。

いずれにせよ、ご自身がどの程度のズレ(骨格的?歯並び?アゴの関節?咬み合わせ?など)があって、どこまでの改善を望みたいか?納得してか治療を受けていただきたいと思います。

 

当院は、自立支援医療指定医療機関です。外科矯正治療(手術)が必要な場合や骨格の不調はなどを含めて、診査、診断を行っております。

 

村田歯科医院 / 村田歯科 横浜矯正歯科センター 村田正人

 

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日本顎変形症学会 学術大会参加について

横浜駅前 村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センターです。

5月に入り初夏のような日が続きますね。ひと昔前は衣替えといえば6月だったような気がします。

ゴールデンウィークにも入りました。気温の変化で体調崩しやすい時期でもありますから、お気をつけて連休を楽しんでください。

 

平素より当院の医療活動にご理解、ご協力を頂き誠にありがとうございます🌸

今回、学会参加に伴う、矯正歯科の診療日程についてご案内させていただきます。

 

6月5日(木)~6日(金)の期間中

「第35回 日本顎変形症学会 総会・学術大会」 参加のため

私(村田正人 矯正歯科担当医)は不在となります。

 

6月5日、6日は診療実施されますが、普段より一緒に担当していただいている

矯正歯科医(非常勤)が担当となります。

お時間や処置内容によっては、ご希望に添えない場合がございます。

当院のご利用の患者様には、大変、ご迷惑をお掛け致しますが、ご理解、ご協力

の程を宜しくお願い致します。

(当院の一般歯科は、通常通りの診療となります)

顎変形症を担う矯正歯科として、日々、研鑽を積んで参りたいと思っております。

何卒ご理解、ご協力の程をよろしくお願い致します。

 

村田歯科医院 / 村田歯科 横浜矯正歯科センター 村田正人

 

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睡眠時無呼吸症候群 下顎後退症(顎変形症)について

村田歯科医院(村田歯科 横浜矯正歯科センター)です。

当院は、横浜駅前にて45年を超える医院です(自立支援指定医療機関)

 

睡眠時に「いびき」をかいてしまう!周りから指摘される!などのご経験をお持ちのかたも多いのではないでしょうか?

「いびき」は、眠っているときに吸い込んだ空気が、喉を通るときに鳴る振動音です。

異常な呼吸がおき、自分でも気が付かないうちに、色々な障害を体に及ぼす病気です。

睡眠時に「いびき」をかいてしまう!周りから指摘される!

などのご経験をお持ちのかたも多いのではないでしょうか?

じつは、「いびき」が出るということは、呼吸が一時的に止まっているとうことです。とまるということは「無呼吸状態」です。一時的とはいえ止まって、気流がおこり一気に空気が入り振動音がでます。

身体的症状としては、「いびきの頻発」は勿論、昼間の眠気、呼吸停止(無呼吸)、睡眠の質の低下などが起こります。さらにひどい場合、「日中の眠気」「頭痛」などを引き起こします。

このような症状があれば、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性が高いです。

 

睡眠時無呼吸症候群のメカニズムは異常な呼吸がおき、自分でも気が付かないうちに、色々な障害を体に及ぼす病気です。

睡眠時無呼吸症候群の原因は、「①一時的な原因」と「②慢性的(根本的)な原因」などに大別されます。

<一時的な原因>

1.寝室の温度・湿度による口呼吸が原因

(室温が低くかったり湿度が低かったりすると口呼吸となりいびきの原因になります)

2. 薬理学的要因により筋肉が弛緩・気道が狭くなる

(アルコール、服用薬、たばこなどの人体への作用がいびきの原因にもなります)

3.悪い寝姿勢が気道を狭める

(合わない寝具の使用など眠るときの姿勢(体位)がいびきの原因となることがあります)

 

 

<慢性的(根本的)な原因>

1.扁桃の肥大によるもの(アデノイド、咽頭扁桃、舌扁桃など)

2.肥満によるもの(首周りの過剰な体内脂肪により上気道が狭くなります)

3.口呼吸によるもの(口呼吸の習慣(癖)や鼻づまり等から起こる口呼吸鼻では鼻呼吸をするよりも気道が狭くなるのでいびきの原因になります)

4.加齢による筋力低下によるもの(加齢に伴う筋力低下は気道狭窄の原因になります)

5.アゴ(特に下アゴ)小さい・狭いことによるもの(アゴが小さいと舌が喉側におちこみ気道を狭くします)

 

「一時的な原因」については、生活習慣など環境を変えたり、対症療法で軽減することが多いです。

代表的なものでは、

①シーパップ療法(CPAP療法)

②スリープスプリント療法(専用のマウスピースを使用し症状を和らげる対処療法)

などがあります。

 

①シーパップ(CPAP)療法

・CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)と呼ばれる機械で圧力をかけた空気を鼻から気道に送り、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です(健康保険適用)。現在では中等~重症の閉塞型睡眠時無呼吸症候群の標準的治療法として広く用いられています。

②マウスピース(スリープスプリント)療法

 下あごを上あごよりも前方に出すように固定させることで、上気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療方法です。

治療に使用するマウスピースの作成は、患者様の口腔内・歯列の形態にきちんと合ったものでなくてはならないため、歯科医院にて精密に作製する必要があります。

耳鼻咽喉科医や睡眠障害専門外来などで検査を受け、睡眠時無呼吸症候群の診断をされた担当医師からの紹介状が発行されると、マウスピースは医療保険の適応となります。

 マウスピース(スリープスプリント)による治療は、軽度~中程度の閉塞性睡眠時無呼吸の患者さんに比較的有効ですが、重症の患者さんには治療が不十分となる可能性があります。👆 (ここポイント)  

基本的には「シーパップ(CPAP)療法」や「マウスピース(スリープスプリント)療法」は、軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群に適応される「対症療法」です。「一時的な原因」の場合において、症状を緩和させるために有効的です。

 

「シーパップ(CPAP)療法をおこなっても合わなかった(改善しなかった)」

「CPAPを装着している時はいいが外すとすぐに元にもどる」

「歯科医院でスリープスプリント作ってもらい使ったが改善しなかった」

「マウスピースで一時的に改善したが症状がすぐに出てしまう」

などの声を聞くこともあります。

歯科医院でも「睡眠時無呼吸症候群」の治療法として「スリープスプリント療法」を積極的に打ち出している医院などもありますが、あくまで対症療法であり根本的治療にはならない場合も多々あります。

 

やはり「慢性的(根本的)な原因」による場合には、対症療法は効果が薄いとお考えになってください。この場合は、直接的なアプローチがが必要になります。

 

特に「扁桃の肥大によるもの」「アゴ(特に下アゴ)小さい・狭いことによるもの」は根本的な原因に直接アプローチします。

通常、扁桃は6歳くらいで最大になり、その後、成長と共に縮小します。ただ、幼い頃に風邪などで喉に炎症が起こると、肥大したまま残ってしまうことがあります。また、ウイルスや細菌の影響から炎症がおこり、一時的に肥大している場合もあります。この場合は

耳鼻咽喉科や睡眠障害外来などにて、直接、外科的な切除が有効となります。その他、口蓋垂や軟口蓋なども切除する場合があります。最近ではレーザーによる手術などもあり、外科的な侵襲が少なくて済む場合もあります。

 

「アゴ(特に下アゴ)小さい・狭いことによるもの」については、特に、矯正歯科、口腔外科や形成外科との連携治療が必要です。

「歯列矯正とアゴの外科手術で根本的な原因を取り除く根治的治療」で「顎変形症治療(がくへんけいしょう治療)」と言います。

 

顎変形症のなかでも下顎後退症(かがくこうたいしょう)と診断される場合になります。

この治療については、当院で多く担っております。

「アゴが小さい場合(顎変形症・下顎後退症)の睡眠時無呼吸症候群の根治療法」です。

矯正歯科でもまだまだ、下顎後退症における顎変形症治療を積極的に行う医院は多くないように思います。

適応ケース(症状)としては・・・

・骨格的に下あご骨が小さい

・骨格的に上あごが前に出ている(出っ歯)の方、
・かみ合せがズレているど非常悪い方(この場合、歯列矯正のみで改善傾向になる場合もあります)

・アゴが後方に位置している顎変形症(下顎後退症、小下顎症)の人

・CPAPがどうしても合わなかった人(特に、痩せ型の人)

 

このような状田では、下あごが小さく、後退している場合、同様に舌も後ろに位置しているため、気道が狭くなりやすく、睡眠時無呼吸症候群を引き起こす要因となります。

 

 

顎変形症(下顎後退症)の治療は、「上下顎前方移動手術」といいます。

上アゴの骨や下アゴ骨の骨全体を手術で前後・上下・左右に移動して(骨切り術)、気道を広げる治療法で、顎変形症の外科手術の応用となります。

 

この外科手術(形成外科や口腔外科)は、一般的に矯正治療(矯正歯科)と併せて行われるため、アゴの位置を変えて気道を広げるので、直接効果を得られやすく治療効果の高い根治療法の一つです。


ただし、外科手術を伴う治療ですから、それなりの負担もあります。全身麻酔での手術となり、数時間かかります。5~10日前後の入院が必要となります。

 

 

治療手順としては・・・
①初診・相談(顎変形症の治療を行っている矯正歯科、口腔外科など)

②精密検査・診断・治療計画を練る(矯正歯科医と口腔外科医または形成外科医との連携)

③術前矯正(1年~1年半)・・・矯正歯科医

④手術(入院5~10日前後)・・・口腔外科医または形成外科医

⑤術後矯正(手術後、1年~1年半)・・・矯正歯科医(この間に口腔外科や形成外科で手術時のプレート除去)

⑥保定・・・矯正歯科医

このような手順で進めていきます。

 

なお、自立支援(育成・更生)医療機関の指定を受けている(保険適用の矯正治療を実施)歯科医院で矯正治療をしない場合には、手術も保険適応となりませんので、注意が必要です!

 

もちろん、上記のような指定医療機関での治療が前提となりますが、保険適用の有無としては、「顎変形症(下顎後退症や小下顎症)」の診断を受けている場合は、保険適用となります。

なお、外科手術治療の必要性がなく、矯正歯科治療のみの場合には、保険は適用されず、通常の矯正歯科治療と同等の扱いになります。また、睡眠障害に対する診断だけでも、保険適用外となります(睡眠時無呼吸症候群がアゴの骨格が原因ではない場合)。

 

指定を受けている矯正歯科での「アゴが小さい場合(顎変形症・下顎後退症)の睡眠時無呼吸症候群の根治療法」は、あくまで「顎変形症(下顎後退症)」の診断名のもとの治療となります。

 

つまり、「顎変形症(下顎後退症)」の方のほとんどが「睡眠時無呼吸症候群」を発症しているので、結果、睡眠時無呼吸症候群改善につながるということです。

「睡眠時無呼吸症候群」という診断のもと保険適応による矯正治療は出来ません。(👆ッココポイント)

 

少々、ややこしいかもしれませんが・・・・

 

今回は「睡眠時無呼吸症候群の治療法」の概要について紹介させていただきました。

当院でも多くの方が、相談、治療にいらしております。

「アゴが小さく感じる」

「いびきがひどい」

「いびきで目が覚める」

「下アゴが引っ込んでいる」

 

などなど、気になる症状があれば、一度、相談にいらしてみてください。

 歯並びや噛み合わせの治療だけでなく、骨格的なアプローチも行う矯正歯科医としてお役に立てることがあるかもしれません。

 

村田歯科医院 / 村田歯科 横浜矯正歯科センター

村田正人

日付:  カテゴリ:ブログ, 下顎後退症, 中高年の矯正, 保険が効く矯正, 全身への影響・健康への影響, 外科矯正・顎変形症・口蓋裂, 治療法, 矯正装置・治療法, 顎変形症 and tagged , , , , ,

2024年 日本顎変形症学会総会・学術大会参加

横浜駅前にある「村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター」です。

🌸平素より、当院の医療活動にご理解、ご協力を頂き誠にありがとうございます🌸

 

学会参加に伴う、矯正歯科の診療日程についてご案内させていただきます。

 

 

矯正歯科の診療日程についてのご案内させていただきます。

6月27日(木)~28日(金)の期間中

「日本顎変形症学会 総会・学術大会」参加のため

一部、矯正歯科の診療時間を変更させていただきます。

お時間によっては、ご希望に添えない場合がございます。

当院のご利用の患者様には、大変、ご迷惑をお掛け致しますが、ご理解、ご協力

の程を宜しくお願い致します。

(当院の一般歯科は、通常通りの診療となります)

 

顎変形症を担う矯正歯科として、日々、精進し研鑽を積んで参りたいと思っております。

何卒ご理解、ご協力の程をよろしくお願い致します。

 

村田歯科医院 / 村田歯科 横浜矯正歯科センター 村田正人

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睡眠時無呼吸症候群 下顎後退症 について

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センターです。

舌側矯正、マウスピース矯正や顎変形症(保険の矯正)など幅広い治療を矯正歯科を専門に行う歯科医が担当致します。一般歯科医も常駐しており、一般の虫歯治療、詰め物・かぶせ物(ブリッジやクラウン)、抜歯などの口腔外科処置、小児歯科処置や歯周病治療なども併設の施設で受けることが出来ます。

 

睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)という病気の名前を1度は耳にしたことがあるかと思います。その名の通り、睡眠時に呼吸停止(無呼吸)または低呼吸になる疾患です。

実は、矯正歯科の分野でも非常に関係性のある疾患です。ただ、だいぶ以前よりは情報が多くなりましたが、私たち矯正歯科医の中でも、専門的に診断や治療を行う歯科医はまだまだ多くないかと思います。

 

閉塞性睡眠時無呼吸症候群中枢性睡眠時無呼吸症候群、あるいは、その混在型に分類されます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、激しい「いびき」の症状がみられます。

一方、

中枢性睡眠時無呼吸症候群では特徴的な「いびき」は認められないことが多いです。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群にみられる「いびき」は、無音のあと著しく大きく音を発するという傾向・特徴を持っています。

単に「いびきをかきやすい性質」としか認識されず、治療開始が遅れることもあります、要注意です。

 

原因としては、肥満、家族の病歴(家族に睡眠時無呼吸症候群の方がいる)、アレルギー、咽頭扁桃肥大(アデノイド)、骨格的要因、顔貌形態(下顎後退症)などがあります。
そして、放置すると、心臓発作、脳梗塞、糖尿病、心不全、不整脈、肥満、昼間の眠気によるリスク(交通事故、人間関係の悪化)などの様々な弊害が増加すると言われています。bikkuri01.gif

 

治療法としては、生活習慣の改善(禁酒、減量、禁煙、睡眠姿勢など)、マウスピース(スリープスプリント)や呼吸機器の使用(CPAP装置の装着)、手術(矯正歯科治療および顎離断手術)などがあります。

今回は、矯正歯科分野での治療について、掲載したいと思います。
「睡眠時無呼吸症候群」「矯正歯科治療」についてです。kaeru01.gifbook.gif

 

手術を行う治療としては、口蓋垂、口蓋扁桃、軟口蓋の一部を切除し、気道を広げる外科的治療(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)と顎変形症(骨格性の下顎後退症)としての矯正装置と外科手術を併用した外科矯正治療があります。

矯正歯科での治療法としては、矯正歯科の装置と手術を併用した、いわゆる、「顎変形症治療(がくへんけいしょうちりょう)」になります。

「アゴがないんですけど、治ります?」

「シーパップやマウスピースを使って、睡眠時無呼吸症候群の治療を受けているのですが、中々改善しません。矯正と手術をした方が良いのでは?と担当の先生から言われました。」

「いびきがひどいのですが、治りますか?」

「寝ている時に呼吸が止まるのですが、歯並びのせいでしょうか?」

 

などの理由から初診・相談にいらした患者さんから伺うことがあります・・・・

「ひどいいびきをかきやすい」b-onegai02.gif

あるいは

「歯が出ていて口を閉じてどうしても口呼吸になってしまう。」kao03.gif

などそんな症状を自覚または、ご家族から指摘されたことはありませんか?

眠っている時に呼吸が停止したり、「ガガ~ッ」 っと大きないびきをかいてしまうと、眠りが浅く、日中起きているときにも眠気が生じ、集中力の低下などの症状が現れます。
さらに免疫力の低下、高血圧や肥満、糖尿病など生活習慣病に罹患しやすいとも言われています。

いびきがひどく、「カッ」っと呼吸が止まったり、「ガガ~ッ」っと大きないびきをかいてしまう方は、睡眠障害の専門外来を受診することをおすすめします。

この症状を起こす方の特徴の1つとして、共通の顔貌パターンがあります。
患者さんご自身の印象としては、

「下アゴが小さい」

「下がっている(アゴがない)様に見える」

「口を閉じるとアゴの先端にシワができる」

と感じることが多いようです。

睡眠時無呼吸症候群では、以前は、太った男性の方が多いという印象が強かったようですが、最近では、性差はなく、女性も比較的多いとされております。w03.gif

 

睡眠無呼吸症候群は気道が自体狭いことや口蓋、咽頭形態が原因で起こす場合もありますが、下顎(したあご)が後退(下顎が下がっている)しているかたは、仰向けに寝ると余計にアゴが下がり気道が狭くなります。

顔全体の傾向としては、「面長な顔」の傾向です。

「面長」とは、中・下顔面の長さが長いということです。そのうえで、「アゴが無い」「アゴの先端い梅干様のシワが出来る」という方は、要注意です。→ ココポイントup.gifkaeru02.gif

成人では、下アゴが著しく小さい場合、顎変形症(下顎後退症)といって外科矯正治療(保険適応)の対象となります。

顎骨の骨切り手術を行うことで根本的に正しい下アゴの大きさや位置を確保することで気道広くなるのを促します。

矯正歯科での治療は、歯並びだけでなく骨格的な要因による顎顔面の不調和を治す「顎変形症(下顎後退症)」治療です。「顎変形症(下顎後退症)」は睡眠時無呼吸症候群を伴っていることが多く、結果、全て改善する治療になります。

 

もちろん、顎変形症治療ですから、指定の医療機関と指定医の常駐する医院、病院では健康保険の適応になります。


以前は外科矯正の手術でも下アゴだけの手術が多く、結果的に再発する懸念がありまし最近では技術の進歩により、必要な場合は上下アゴの手術を行い位置を決めて治療をすることもできるようになり、顎変形症治療適応の領域も広がってきました。

睡眠時無呼吸症候群の治療には、顎変形症治療が非常に有効な治療法となっています。nurse.gif

さらに周囲の筋肉のリハビリと正常な舌の位置と鼻呼吸の確立など筋機能療法(MFT)などを行い下アゴが前方で適応する位置での咬み合わせを作ることで睡眠時無呼吸症候群の根本的な改善がでます。

どんな病気でも色々な角度からのアプローチが必要な場合があります。

歯並びや咬み合わせが悪く!

 

「睡眠時無呼吸症候群」

「いびき」

「睡眠の質がわるい」

「飲み込みにくい」

 

などの症状を自覚したら、

一選択肢、一選択診療科として、「矯正歯科」もあることを覚えておいてください。icon_razz.gif

(※ 尚、睡眠時無呼吸症候群(気道にかんする診断)にかんする矯正歯科治療を行う矯正歯科は限られております)

より良い治療法、根本的な治療法にたどり着けるかもしれません。

 

当院は自立支援指定医療機関(保険の矯正可能)であり、多くの下顎後退症(顎変形症)の患者様が通院していらっしゃいます。

 

村田歯科医院/村田歯科横浜矯正歯科センター

村田正人

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受口(反対咬合)の治療について

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センターの村田正人です。

新型コロナウィルス感染症 オミクロン株の猛威がつづきますね。油断せずに1つ1つできる予防策を講じていきたいと思います。

 

先日、「地域の歯科検診で受口を指摘されたので!」

とのことで、お子さんといっしょに相談に来られた方がいらっしゃいました。

そこで「受口」について、症状や治療のタイミングなどについて説明していきたいと思います。

 

まず、受口と言いますと「下アゴが出ている」

真っ先にそういったイメージを持たれる方が多いと思います。

「受口」とは前歯が反対に噛んでいる「反対咬合」の俗称です

前歯が反対に噛んでいる状態は

「下アゴが大きい場合」

「上アゴが小さい場合」

「上アゴが小さく、下あごも大きい場合」

などなど、様々であり治療方針や使用装置も状況に応じさまざまです。

 

日本人には、反対咬合の患者さんが多いと言われています。下アゴだけでなく、日本人は欧米系の方と比較して、上アゴの成長が弱い傾向にあると言われています。

また、アゴや顔の周り(顎顔面領域)の成長傾向は「優性遺伝」です。

親御さんが反対咬合の状態だと、お子さんも反対咬合になる確率が高い傾向にあります。

後にもでてきますが、「骨格性の反対咬合(顎変形症)」の場合は遺伝的要因がとくに強いです。ご両親のどちらも「骨格性の反対咬合」ではなかったとしても、ご親族の中でどなたかいらっしゃれば、その傾向が発現されることもあります。

もし、遺伝的に骨格的な反対咬合ではなくても、上アゴの成長が始まる時期(小学生低学年~)に反対咬合を放置すると環境要因により「骨格的反対咬合」になってしまう場合もあります。下アゴの成長と身長がのびるのは同じ時期です。身長が著しく伸び始める第2次成長期の前に前歯の反対をなくすことがとても重要になります。

 

上記を踏まえて申しますと・・・・

 

ベストは、、早めの時期からのアプローチや経過観察をおすすめします。

遅くとも「9歳」までには治療を始めることが必要とお考えください。

ただ、

「わかっていたけど中々治療するタイミングがなかった」

「かかりつけの一般歯科で指摘されなかった」

「そもそも歯科に行くことがあまりなく放置してしまった」

「成人になったのでもう治らないと思っていた」

等々、諸事情もあるかと思います。

そこで、ご自身やお子さんが、今、どの段階にいらっしゃるのか?段階に分けて目安を挙げてみます。

 

決まりがあるわけではありませんが、以下では段階に応じてわけてみます。

 

第1段階(5~6歳):この時期の反対咬合は、本格出来な矯正治療に入る前の段階です。機能的な装置などを使用して、反対咬合による舌のクセや筋肉のバランスの不調和の改善を試みます。以前は、前歯が永久歯になる時に治ることもあるからまだ早いと言われていた年齢です。今でも「まだ早い」とおっしゃる先生もいるかもしれません。確かに歯並び改善ということでは、自然に治ることもあるかもしれません。しかし、この考え方は古い考え方です。反対咬合が続くことで舌のクセや口腔周囲筋の不調和が助長される可能性が高くなります。クセを治すのは非常に時間がかかる場合もあり、装置が使える年齢になったら、反対咬合は出来るだけ早目に改善する方が良いです。

 

第2段階(6~9歳):この段階では、本格的な矯正治療が必要になります。「第1期治療」や「小児矯正」などと呼ばれます。この時期は、ちょうど上アゴの成長期です(下アゴは身長が伸びる時期に成長します)。特に上アゴが小さい場合の反対咬合はこの時期のアプローチが有効です。アゴのアーチを広げたり、上アゴの成長を利用して上下アゴの不調和を改善していきます。また、上アゴが小さくなくても反対咬合を放置すると上アゴの成長が下アゴに阻まれ、結果、反対咬合ひどくなる場合(骨格性)もあります。必ず、前歯が反対に噛んでいる反対咬合を改善しておく必要があります。

 

第3段階(9歳~成長停止まで):この時期は、「第2段階」にあるように前歯の反対は治します。ただし、この時期は、下アゴの成長期を迎えます。骨格的は下アゴの成長傾向が強い場合(骨格性の反対咬合)は、身長の伸びが止まるまでは油断できません。骨格性の成長傾向が強い場合、一度、矯正治療でキレイに改善されても、下アゴの成長期にまた反対咬合になってしまう場合があります。永久歯での矯正治療開始のタイミングは、成長の経過観察も行いながら決めていきます。もちろん、骨格的な要素が薄い場合は、永久歯交換を見据えて通常の矯正治療を開始します。

 

第4段階(成長停止以降~):永久歯での矯正治療となります。この場合、治療方針としては、2タイプに分類されます。それは「反対咬合が骨格性であるか?ないか?」です。骨格性とは「上下のアゴは正常な歯の角度(歯軸)で対応しきれないほどズレている(上下アゴの骨格が反対)」ということです。これは「顎変形症(がくへんけいしょう)」という診断のもと、通常の矯正治療に加えて、アゴの手術(外科矯正治療)が必要になります。骨格性ではない場合は、歯だけの反対になりますから、通常の矯正治療だけで改善されます。また、「顎変形症」は、指定医療機関では保険適応になります。

 

1点、反対咬合の治療では、注意すべき点があります。

治療段階の項目でも述べたように、状況によっては、何をしても下アゴの成長が抑えられない場合があるということです。

下アゴが成長するときと身長が伸びる時の成長のピークはほとんど同じです。身長が伸びる時に下あごも前に成長してくるということです。

 

子供の頃に上下の前歯の反対咬合をしっかり治しておくとある程度は下顎の成長は抑えることができます。

しかし、下アゴの成長が著しい方(骨格性の反対咬合)は、それでも抑えることができない場合があります。そのため受口(反対咬合)の治療は、ケースによっては、長期間の経過観察が必要な場合も多々あります。

 

ご自身やお子様がどういったケースで、どのようは治療方針が適切なのか?焦らずしっかり治していくことが重要になります。

まとめると・・・・

  1. 日本人は上アゴの成長が弱い傾向にあり反対咬合になりやすい
  2. 反対咬合の治療は早めがベスト
  3. 遅くとも9歳までには治療開始が必要
  4. 骨格性反対咬合の傾向がある場合は長期的経過観察が必要
  5. 遺伝的要因の場合もあり親族でも確認が必要
  6. 骨格性反対咬合の場合でも外科手術併用によりしっかり治せる

 

以上のようになるかと思います。

いずれにせよ、気になるタイミングがあれば、早めの受診をおすすめいたします。

一度、ご相談ください。

 

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター

(自立支援医療指定医療機関・顎機能診断施設)

 

村田正人

 

日付:  カテゴリ:ブログ, 保険が効く矯正, 全身への影響・健康への影響, 反対咬合(受け口), 受け口, 外科矯正・顎変形症・口蓋裂, 子供の矯正, 歯並び, 矯正歯科, 矯正治療のタイミング, 顎変形症 and tagged , , , ,

睡眠時無呼吸症候群の治療 下顎後退症(顎変形症)の治療 について

村田歯科医院/村田歯科  横浜矯正歯科 です。新型コロナウィルス感染症のオミクロン株の感染拡大が続いております。当院でも気を緩めず、感染予防対策を行い診療を継続しております。

マスク生活が続くなかで、つい、マスクの舌では口呼吸になりがちですね。そこで今回、呼吸に関んする病気の中で睡眠時無呼吸症候群のについてです。

 

睡眠時無呼吸症候群とは、

睡眠時に呼吸が止まるなど異常な呼吸がおき、自分でも気が付かないうちに、色々な障害を体に及ぼす病気です。

 

特徴としては、睡眠時の「いびき」「呼吸停止(無呼吸状態)の頻発」があり、睡眠の質が低下してた結果、「日中の眠気」「居眠り」「頭痛」「倦怠感」などを引き起こします。

 

睡眠時無呼吸症候群の原因には様々な要因があります (*_*;

 

睡眠時の、喉の閉塞が原因です。仰向けで寝ているときは舌が沈み、上気道といわれる鼻腔や口腔が狭くなります。

 

この時に、口腔内のバランス(歯並び・噛み合わせ)が崩れていると、舌が下に落ちるなど、口咽部からの圧迫から上気道が閉鎖され、無呼吸を起こしてしまいます。

 

また、咬み合わせや骨格的な要因による場合もあります。特に、骨格的な要因は根本的な治療が必要不可欠となります。

 

まずは、睡眠外来や睡眠時無呼吸症候群対応している耳鼻咽喉科などで検査をおこないます。時には、宿泊による検査も行う場合があります。

その後、症状の重症度にもよりますが、「シーパップ療法」、睡眠時無呼吸症候群の診断をされた医師からの歯科にて作製する「マウスピース療法(スリープスプリント)」などの治療法があります。

これらは、下あごを上あごよりも前方に出すように固定させることで、上気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療方法です。

 

治療に使うマウスピースは、患者さんの口腔の形にピッタリ合ったものでなくてはならないため、精密に作製する必要があります。

ただし、これらのシーパップ療法やスリープスプリント治療は、主に対症療法になります。

 

もし、歯並びや咬み合わせに合わせて、骨格的な要因が顕著な場合は、これらの対症療法で一時的な改善はあるかもしれませんが、根本的な治療にはなりません。

 

歯並びのみの改善では治療が困難な場合も多々あります。

 

この場合、根本的な治療は、矯正歯科治療と外科手術(骨切り術)の併用による改善が必要になります。

骨格的な要因とは、顎変形症(下顎後退症)との診断になった場合です。

 

あくまで、矯正歯科での治療です。

顎変形症(下顎後退症)の場合は、結果、睡眠時無呼吸症候群を併発している場合、もしくは、その傾向が強く今後より症状が強くなる可能性がある場合がほとんどです。

 

睡眠時無呼吸症候群の症状の治療から耳鼻咽喉科や睡眠外来での治療を行っていて、

シーパップやスリープスプリント使用で症状の改善が中々見込めないとの判断にいたり、

顎変形症(下顎後退症)として外科矯正治療(矯正治療と外科手術の併用)にて

改善が見込まれます☆彡

 

また、骨格的な要因、歯並びやアゴの位置(「アゴが下がる」や「アゴが小さく感じる」)などを気にして、矯正歯科を受診して、顎変形症(下顎後退症)との診断となり、結果、睡眠時無呼吸症候群の傾向がわかったという場合もあります。

 

顎変形症(下顎後退症)を気にしていて、矯正歯科にて顎変形症(下顎後退症)の診断を受け、結果、気道狭窄(気道が狭い傾向)がみつかり、睡眠外来などでも検査を行った結果、睡眠時無呼吸症候群の併発が明らかになる場合もあります。

 

 

睡眠時無呼吸症候群を併発しているような顎変形症(下顎後退症)の治療は、指定医療機関にて、気道も含んだ診断を行う矯正歯科での治療となります。

 

また、そういった矯正歯科医院は、自立支援医療機関(育成医療・更生医療)の指定医院で行う必要があり、健康保険での矯正治療が可能となります。

 

 

当院では、私が大学病院勤務時代より、ご縁があり、睡眠時無呼吸症候群に関連した診断や顎変形症(下顎後退症)の治療を行い、症状を気にされている多くの患者様にお越しいただいております。

 

また、手術に関しては、東京や近隣の大学病院、または、睡眠専門外来と連携をさせていただき治療を行っています。

 

症状がどの程度のものか?何が原因とかんがえられるか?は、診断をして詳しくわかることにですが・・・・

 

「いびきがひどい」

「睡眠中に喉のつまり感 や 咳でおきてしまう」

「起床時の疲労感(寝た気がしない)」

「飲み込みづらい」

「アゴが下がっているきがする」

「アゴが無い、小さく感じる」

「唇と閉じるとアゴの先端に大きなシワ(梅干し様)が出来る」

「睡眠時に呼吸が止まり起きてしまう感覚がある」

 

などなど・・・・

 

最近では、東洋系(アジア系)の女性は下顎が後退し、小さい傾向があり、睡眠時無呼吸症候群の予備軍の方が多いという見解もあります。

症状の例を挙げればきりがないですが、気になる症状があれば、まずはご相談にいらしてみてください。男女問わずに睡眠時無呼吸症候群傾向がみつかるかもしれません。

 

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科

村田正人

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