アーカイブ: 9月 2025

顎に梅干しジワができる 顎が無いように見える その原因は? 治療法は?

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センターです。

当院では、舌側矯正、マウスピース矯正や顎変形症(保険の矯正)など幅広い治療を矯正歯科を専門に行う歯科医が担当致します。

 

患者さんの中でよくあるご質問ですが・・・・・

「私、口を閉じると顎の先に梅干しみたいなシワができるんです」

「口を閉じると下顎の先が膨らんで、顎が無いよういに見えるんです」

治りますか?(;^_^A

 

☆彡 ハイ!治せます! ☆彡

 

顎先の梅干しみたいなシワとは?・・・・

唇を閉じると顎の中心部分にできるシワのことを意味します。見た目が梅干しのシワに似ていることから、通称「梅干しジワ」と呼ばれます。

 

これは、ご自身の筋肉に対して、歯や顎が出ていることで、顎の下唇中心部にあるオトガイ筋という筋肉が収縮して引き起こされます。

要は歯が出ている分無理に筋肉が引っ張られるということです (´;ω;`)

(※ 年齢とともに筋肉の使い方に癖がでてくることで形成されていくこともあります)

また、生まれつき下顎の骨格が小さい方は下顎の筋肉が発達しやすく若いうちから目立つこともあります。

 

「梅干しジワ」ができる原因としては・・・・

顎の先端になぜ梅干しジワができるのか?歯並びが悪い場合(不正咬合)や骨格がずれている(顎変形症)など、いくつかの原因があります。

歯並びが悪い場合も上下顎が骨格的に悪い場合もアゴの先端部分にあるオトガイ筋に負担が大きくかかる要因があげられます。口を閉じにくい悪い歯並びをしているとそのようにオトガイ筋に大きな緊張が生まれることになります。

「梅干しジワ」ができやすい状態は、主に以下のような状態があげられます。

 

<出っ歯>・・・上顎前突症

上アゴの前歯が前に向かって過度に傾斜していて、上唇が上歯を隠しにくい状態のことです。そのため口を閉じるためには、下唇が遠回りをする状態で強く持ち上げなければなりません。そのため、下唇の下方にあるオトガイ筋が無理に引っ張られて過緊張となり、梅干しジワができやすくなります。幼少期の指しゃぶりや成長期の遺伝的要因などで、舌で前歯を押し出す癖がある場合も出っ歯になりやすいです。

歯並びのみ悪い場合も、骨格性の場合も、共に症状が現れます。

 

<唇を前歯で噛む癖>・・・咬唇癖(こうしんへき)

唇を前歯で噛むと、前歯が前に傾く原因になります。前歯が前に傾くと、口を閉じる際に上唇は前歯に乗ってしまい、下げることができません。そうなると口を閉じるには下唇を大きく引き上げることになり、オトガイ筋に負担をかけ梅干しジワを作る原因になります。

 

 

<前歯が咬んでも閉じない>・・・開咬(かいこう)

開咬とは、奥歯を合わせた際、上下の前歯が嚙み合わず、すき間が空いてしまう状態のことです。出っ歯と同様、開咬も口を閉じることが難しく、オトガイ筋に大きな負担がかかるため、梅干しジワになりやすくなります。こちらも幼少期の指しゃぶりや遺伝でなりやすいです。

 

<口ゴボ>・・・上下顎前突

口ゴボは、上下アゴの歯が出ていて、口元が全面的に前に向かって突き出ている状態のことをいいます。場合によっては、横から見ると鼻より全面に突き出ていることもあります。口を閉じようとすると、オトガイ筋に大きな緊張がかかります。遺伝のほか、成長段階で顎が長く成長したり、舌で前歯を押す癖や口呼吸などでおきることがあります。やはり骨格性の場合は手術の併用が必要な場合もあります。

 

<下アゴが出ている場合(骨格性)>・・・下顎前突(とくに骨格性:骨が出ている)

骨格的に下アゴが出ている場合は、上アゴと同じように唇が閉じにくい状態になります。特に骨格的に出ている場合(骨格性下顎)は、矯正治療のみでの改善は難しく、アゴの手術も併用しなければなりません。

 

<下アゴが引っ込んでいる>・・・下顎後退症(かがくこうたいしょう)

下顎の骨が後方に引っ込んでいると、上下の唇が離れ、口を閉じる際、下唇を持ち上げる力が大きくかかるので、オトガイ筋に負担がかかり、梅干しジワになる原因となります。下顎後退症で特に骨格性の場合は、「梅干しジワ」のみでなく、いびきをかかきやすい「睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)」を併発している場合もあり、重篤な疾患が潜んでいる場合もあります。

 

 

では、この「梅干しジワ」は、どのような「悪影響」「デメリット」につながるのでしょうか?

 

端的に言うと・・・

「梅干しジワ」 = 「口が閉じにくい」「口が閉じない」「すぐに口が開いてします」

ということです。

 

となると、口呼吸になりお口の中が乾燥しやすい状態になります。

乾燥すると口内は唾液が出にくかったり乾いたりすることとなり、菌が繁殖しやすくなってきます。菌が繁殖すると、不衛生になり歯肉炎や歯周病になったり、虫歯や口臭が発生する原因にもなります。また、前述したように骨格的な原因によるものであれば、「睡眠時無呼吸症候群(いびき)」や「睡眠の質の悪化」などの原因となり様々な疾患の誘因となりかねません。

 

治療方法としては・・・・

①歯列矯正で対応

歯列矯正は、歯並びが前面に出ている人や顎の位置に問題がある人が主に対象になってきます。

歯列矯正では、梅干しジワができにくくなるだけでなく、歯並びが整い、口元が美しく見える点です。

現在、歯列矯正には、表側(唇側)矯正装置、裏側(舌側)矯正装置、マウスピース型矯正装置など多様な装置、方法がありますが、いずれにせよ、きちんとした矯正歯科の精密検査が重要になります。

見た目や歯並びだけでなく、しっかいと骨格バランスも分析、診断した上で、治療方針や装置を選ばないと治るものもしっかり治りません。

 

②外科手術も併用して対応(骨格性の場合)

上下顎の骨格的な問題が大きい場合とは、顎が出ていたり、引っ込んでいたり、左右にずれていたりなど上下顎の不調和が大きい場合にひつようになります。「顎変形症」と診断されると指定を受けている矯正歯科では、保険適用となります(※当院も指定医療機関ですので、「保険適応」となります)

外科手術のメリットは、骨の根本から治療するため理想的な口元となることや、歯科矯正と比較し治療期間が短いことです。

 

③美容外科的な対症療法

美容外科的な対応もあります。ただし、この場合は、一時的な見た目の対応となる場合が多く、見た目重視の対象療法的な面もあります。矯正歯科での根本的な治療とは異なりますので、参考までに挙げさせて頂きます。

(ボトックス治療)

ボトックス注射が効果的なのは、主に歯並びや上下顎の骨格が原因で梅干しジワになっているのではなく、口の周りの筋肉の不調和が原因の場合となります。梅干しジワの要因であるオトガイ筋の緊張を緩めることで改善されます。そのためにオトガイ筋にボトックスを注入する方法があります。

 

(ヒアルロン酸注入治療)

基本的に顎先にヒアルロン酸を注入し、その成果としてハリができたり、顎先に高さが出ます。直接的に顎の梅干しジワを治すわけではありません。ただ梅干しジワの場合、下顎が上顎に比べ低い位置にあるので、ヒアルロン酸を注入することにより高さを出すことができます。ただし、ヒアルロン酸の注入では、梅干しジワに直接大きな変化をもたらすことができないのと、時間が経過すると体内に吸収されるので、効果を持続させるには再度施術する必要があります。

 

(筋機能療法:口輪筋のトレーニング、表情筋のトレーニング)

口輪筋は、口の周囲を囲む筋肉です。主に口を閉じる際に使う筋肉です。この筋肉を鍛えることでオトガイ筋の負担を減らすことが梅干しジワ改善に効果をもたらします。表情筋とは顔や頭などの筋肉の総称です。以下は(株)協和でおすすめの表情筋トレーニングです。
⓵ 唇をすぼめ、前に突き出し数秒キープする
② すぼめた唇を元に戻し、唇を歯で巻き込み少し外側に引くmそのまま数秒キープする
③ その後、ゆっくりと数秒かけて自然な表情に戻す
④ ⓵~③の動作を数回繰り返す     などです・・・・・

 

 

今回、顎の梅干しジワの原因や治療法、対処法などを説明させていただきました。

 

「梅干しジワ」はほぼオトガイ筋に緊張を与えてしまうことによるもので、原因は歯並びや骨格であることがほとんどです。対症療法的な対策法もいろいろありますが、長い目で見ると、根本治療することを第一選択として考えた方が良いかと思います。。

 

より良い治療法、根本的な治療法にたどり着けるかもしれません。

当院は自立支援指定医療機関(保険の矯正可能)であり、多くの下顎後退症(顎変形症)の患者様が通院していらっしゃいます。

 

村田歯科医院/村田歯科横浜矯正歯科センター

村田正人

 

 

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