横浜駅前 横浜駅からほど近い、横浜駅前で開業44年を迎える歴史ある歯科医院(徒歩1分)です。当院は、矯正歯科(矯正歯科専門の歯科医担当)と一般歯科を併設した歯科医院です。村田歯科医院内にある矯正歯科専門の「村田歯科 横浜矯正歯科センター」では、舌側矯正、マウスピース型矯正装置や顎変形症(保険の矯正)などより専門的な矯正歯科治療にも取り組んでおります。矯正専門外来は土曜日も診療を実施しております。
最近、「部分矯正」に関するお問い合わせをいただく機会が増えたように感じます。「部分矯正」は、以前からあった治療ですし、なぜ?最近になって?と思ってしまいます。
そこで、今回、「部分矯正」について、矯正歯科の専門医として、正直な見解を書かせていただきます。
今回は、「前編」、「後編」の2回に分けて書かせていただきます。
ちなみに、これは「部分矯正」を否定するものではありません。もちろん、その患者さんを治療する上で、診査診断の結果、治療方針が合っているのであれば、「部分矯正」でもきちんとした治療効果が得られます。
部分矯正について、正しい、知識や情報を提供することを意図しています。
年齢や性別を問わず、以前は矯正歯科治療をしたいと悩んでいる方で、「見た目を良くしたい!!」ということを治療目的に挙げる場もが多いかと思います。
最近では、ネット環境やSNSの普及で、皆さんの医療への知識や意識も高まりつつあるかと思います。矯正歯科分野でも同じことがいえるかと思います。
「見た目だけでなく、健康のために歯並びや咬み合わせを治したい」「人生100年時代、長く自分の歯で食事をしたい」など、健康のために矯正歯科治療を受ける方も増えています。
しかし、逆にネットやSNSの影響も大きく、誤った知識や過剰な見解を与えかねない記事や広告も多くみられ、患者さん自身の困惑を招きかねない事態も増えてきています。
最近、患者さんから「ここが気になるから、この部分の歯だけを動かしたい」と部分矯正を希望されることもあります。
ちなみに、「部分矯正」とは、「限局矯正」「MTM」などとも言い、教科書的にいうと、軽度な歯列不正や何か(ブリッジ、歯周病処置やインプラントなど)他の処置の前処置として、以前から行われてきました。
決して部分矯正に特化して、新しい治療や専門的治療(部分矯正に限局した)ではありません。まして、部分矯正専門医などもありません。
通常の場合、部分矯正は全体矯正に比べて費用が安く抑えられ、矯正期間も短くなります。部分矯正は歯磨きがしやすい、痛みが少ないなどのメリットもあります。
このようなメリットのみに魅力を感じて・・・・
「安く済ませたいので部分矯正でお願いします」
「全体矯正よりも部分矯正のほうが簡単そうでいいものだろう」
「ここだけを治したいのだから、すぐに部分矯正ができるだろう」
と考える気持ちはわかります。
ですが、気になる部分の見た目を変えることが目的だからと部分矯正を望まれても、「そこだけを動かす治療は行えない」というケースも、とても多いのです。
では、どういったケースなら「部分矯正」に向いているのでしょうか?
<部分矯正に向いている症状やケース>
- 奥歯の咬み合わせはあっていて、上下前歯だけガタガタしているケース(乱杭歯、叢生)
- 前歯に軽度の隙間がある場合、特に前歯の咬み合わせが浅いケース(空隙歯列、正中離開)
- 少しだけ前歯が出ているケース(軽度の上顎前突、上下顎前突)
- 噛んでも前歯が咬み合わないが、奥歯の位置は合っているケース(軽度の開咬)
- 奥歯は考えないでとりあえず、前歯の見た目だけ治れば良いと思う方(特に上の歯の見た目だけ重視)
- 先の予定として、イベントや留学などがあり、どうしても短期間でせめて前歯だけでも治したいケース
- 全体として矯正が必要なのはわかっているが、金銭的にもなるべく費用を抑えたい方
などが挙げられます。
また、治療法についての質問もあるのですが、「部分矯正」の場合、「表側矯正装置」「舌側(裏側)矯正装置」「マウスピース型矯正装置」のどの場合でも、可能なケースが多いかと思います。
それでは、「後編」では、全体の矯正治療と比較した場合について、述べさせていただきます。
村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター
村田正人