横浜駅前にある「村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター」です。
二転三転? 紆余曲折? 七転八倒? 優柔不断? 〇▲○◎?
良くも悪くも、いよいよ「東京オリンピック パラリンピック」が始まりますね(予定)☆彡
海外から入国される方も多数いらっしゃるかと思います。新型コロナウィルス感染症対策には、引き続き!気を付けて行きたいと思います。
さて、最近、相談にいらした患者様から、「ガミースマイル」を治したい。「イーライン」を整えたい。「バードフェイス」「アゴ無し」を治したい。「口ゴボ」を治したい。「スマイルラインを綺麗にしたい」等々、専門的?俗語的? な用語を用いた相談をお受けすることがございます。
この中で、今回は「口ゴボ」についてです。専門的には俗語です。
専門的に歯科矯正学的診断で言うと「上下顎前歯前突」と言う診断名がつきます。
口元が前方へ突出した状態のことを言います。顎を含めた顔の下半分が突き出している状態、すなわち、唇の中央付近を頂点として、口元全体が山のようにもっこりと前方に突き出している状態です。
こうした容貌は「モンキーフェイス」?的分類から「モンゴロイド」という分類に属する日本人(アジア系)には多いタイプとされています。
口ゴボで起こるのが、「横顔のフェイスラインが格好悪くなる」という問題です。いわゆるイーラインより、唇が大きく突出してしまうということです。そして、お口が閉じにくい場合が多く、「口唇閉鎖不全」や「口呼吸」を伴っている場合が多いです。
よって、見た目だけでははく、お口の環境としても、あまり良い状態とは言えません。
三
生じる原因としては、諸説ありますが・・・・
まず、前にも述べたように日本人は元々持っている骨格の特徴によって、口ゴボになりやすいともいわれます。そのうえで、さらに助長してしまう原因などを挙げてみます。
- 頭の形が、欧米人は前後に長いが幅が狭く、日本人は左右に広いものの前後が短いという傾向が認められるようです。日本人の頭蓋骨には前後方向にあまりスペースの余裕がないということになります。その結果、頚椎、筋肉や周囲の組織の器官によって頭蓋骨の下半分の多くのスペースが占められてしまい、上下の顎が前方に突き出してしまいやすいとも言われています。
- 鼻腔と喉の間にある「アデノイド」が肥大することによるとも考えられています。「アデノイド」は、幼児期に最大となり、その後、成長とともに小さく縮んでいきますが、まれに極端に大きく成長してしまうことがあります。これにより、鼻呼吸ができず「口呼吸」になります。すると、顔の下半分の筋肉が常に緩み、下顎が小さくなって後退してしまう原因となります。代わりに上顎が前に出て、出っ歯ぎみになっていくなど、口ゴボの特徴がはっきりと表れてきます(アデノイド顔貌と呼ぶこともあります)。
- 「2.」にもありましたが、「口呼吸」すなわち「鼻咽腔疾患(鼻づまり)」によるものがあげられます。アレルギー性鼻炎や蓄膿症の放置により「鼻咽腔疾患(鼻づまり)」による子供のころから口呼吸が習慣付いると成長期にたりすると下顎の成長が阻まれ成長の過程で「口ゴボ」になってしまったり、また、口呼吸により、上下の口の周りの筋肉(口輪筋)が緩み、上下あごの骨の過成長が助長されたり、歯の軸が前方に傾斜してきて「口ゴボ」になったりします。
- その他、時に「頬杖」「指しゃぶり」「舌のクセ」などでも「口ゴボ」を助長することもあります。
次に代表的な治療方法を挙げてみます。ただし、本来治療方法という物は、「良くするために何が必要か?」「医学的な見解に基づいて、異常な部分を正常に治すために何が必要か?」ということが「根本」「原点」になります。
そのうえで、状況やご本人の希望を伺って方針や目標を決めていくものだと考えています。
①矯正治療(矯正歯科治療単独)
皆様ご存知のように、矯正装置(ブラケット)を装着し治療をすすめます。矯正のための抜歯をしたり、最近では、歯科矯正用アンカースクリューを利用して治療をすすめます。この歯科矯正用アンカースクリューの併用により、従来では限界があったケースでも劇的に変化し、改善効果が期待できます。
②外科矯正治療(矯正治療と 外科的手術を併用)
お口の中の歯並びに加えて、骨格的な問題がある場合に良好な結果が得られます。ただし、精密検査の結果、「骨格性上下顎前突」=「顎変形症」と診断された場合に限ります。口ゴボの状態であれは誰でも選択できるという物ではありません。骨格的な原因により、上下の口元がている場合に上下顎の骨格を改善として、矯正治療と手術を併用します。手術としては、SSRO(下顎枝矢状分割術)、Lefort Ⅰ 型骨切り術、Wassmund-Wundere法(上顎歯槽部骨切り術)、オトガイ形成術など、ケースによって行う手術の組み合わせは異なります。この状態は「顎変形症」という病名のもとに指定の医療機関では「健康保険適応」になり、患者様の治療費負担が軽減されるメリットがあります。
③美容外科(見た目優先)の治療
美容整形によって鼻を高くして、顎の先を前方に出すことによって相対的に上下の唇を後方に下げ横顔や見た目の改善することです。鼻にヒアルロン酸を入れる方法とプロテアーゼというシリコンを入れて鼻を高くする方法があります。このようなヒアルロン酸やプロテアーゼなどを利用した方法は短期間で見た目の改善は可能かと思います。上下の歯の位置や角度は正常ですが、元々顎がなく、鼻が低い方に有効です。また、本来骨格性の「口ゴボ」状態ですが、手術はしなくないという方は「矯正治療単独」と併用すると比較的良好な結果が得られる場合もあります。
治療方法としては色々とありますが、前にも述べたように、まず、ご自身がどういう状態、ケースなのかを知ることです。「良くするために何が必要か?」「医学的な見解に基づいて、異常な部分を正常に治すために何が必要か?」医学的診断をしっかりしてから考えることが大切です。
最近では、ネットやSNSなどの情報から、つい、治療方法ばかり先走って考えてしまいがちな傾向が見受けられます。
ご自身の状態にあっていない治療を行っても希望通りには治らないという、苦い思いもしかねません。
治療にも出来る事出来ないこと、メリット、デメリットがあります。まず。医学的な診断については精密検査を行い診断する必要があります。そして、ご自身の正直な状態を知った上で、治療を進めていく必要があります。
当院は指定医療機関です。お気軽にご相談いただければと思います。
村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター
村田正人