アーカイブ: 4月 2022

矯正歯科におけるガミースマイルの治療法について

村田歯科医院 / 村田歯科 横浜矯正歯科です。

来週はもう早いものでゴールデンウィークですね。今年の人出はどうなるのでしょうか?

新型コロナウィルス感染症の感染対策は怠らないようにしていきたいと思います。

ご相談や治療希望で来院された患者様の中で、時折、治療目的で出てくる症状の一つに

ガミースマイル(笑うと歯ぐきが多く見えてしまう現象)があります。

 

特に女性に多いと言われています。なぜなら、男性は口の周りには太いヒゲが多く、皮膚が固いため笑っても唇がめくれにくいと言われているからです。

ガミースマイルにより、見た目があまり良くないと!気にされて来院される方も少なくありません。

 

「二コっと」笑った時に、目安として1番前の上アゴ前歯の歯肉(歯頚部)から歯肉が

3㎜以上見える場合をガミースマイルといいます。

逆に言うと 「1mm~3mm は正常」 と言われます。

ただし、骨格、唇の圧さ、筋肉や人種などによっても基準は違います。またガミースマイルの方の多くのケースが、過蓋咬合(ディープバイト)上顎前突(出っ歯)の傾向にあります。それにより、口呼吸や口唇閉鎖不全(口が閉じにくい)を伴っており、前歯が露出しているために、お口の中が乾燥し唾液による防御効果が薄れ歯肉炎になっていることが多いです。

 ⇒ 歯ぐきが腫れています。

ですから、過度なガミースマイルは見た目だけでなく、お口の中の健康にも影響すると言えます。

歯科矯正のガミースマイル治療には以下に挙げた方法が代表的です。

 

①矯正装置単独(矯正用ワイヤーやマウスピース型矯正装置)による治療

ごく軽度であれば矯正治療単独で改善が見込まれます。

前歯が上方に上がるようにワイヤーにステップを入れたり、カーブを入れたりなどワイヤーを調整することで改善が見込めます。

また、症状によっては、マウスピース型矯正装置と矯正用ゴムを併用して改善する場合もあります。

 

 

②矯正装置(ワイヤー)と矯正用アンカースクリュー(TAD)を併用する治療

通常の矯正用ワイヤーを使用した上で、矯正用アンカースクリューという矯正用のアイテムを使用する治療法です。

ガミースマイルの原因は、上顎の前歯の位置が顔に対して下にあり過ぎることが主な原因となります。ワイヤーだけでは不可能な大きな移動が必要な場合に用いられます。

矯正用アンカースクリューは主にチタン製の小さなネジで、麻酔下にて骨に直接、回しながら埋入します。比較的簡単な場合は、専用器具を使って手で入れます。麻酔も少量で施術中の痛みも無く、腫れもありません。

術後の痛みに関しては個人差があります(鎮痛剤で抑えられる程度)。打ち込んだスクリューの頭部より、ワイヤーやアタッチメントを介して上顎の前歯を上後方に引っ張っていきます。

矯正用アンカースクリューは骨に打ち込むことにより、絶対動かない固定源になることです。

矯正用アンカースクリューがまだ無かった時代には、矯正用ワイヤーのみの治療ではガミースマイルの改善には限度がありました。

 

 

③矯正装置(ワイヤー)と外科手術を併用した矯正治療(顎変形症、上顎前突症)

上アゴの前歯が著しく下がっており、骨格的な要因が影響している場合(歯槽骨という歯が植わっている骨の部分が伸びている場合)は、矯正用アンカースクリュー単独では限界があります。

4㎜以上の移動が必要な場合は、手術の必要性を検討した方が良いかと思います。骨格的な改善が必要なケースは「顎変形症(がくへんけいしょう)」という診断になります。

外科手術を併用したガミースマイル治療の場合には、矯正歯科、口腔外科または形成外科との連携が必要になります。術前矯正を行た後、手術は全身麻酔下、入院は10日前後必要です。

矯正歯科では「自立支援医療機関・顎機能診断施設」の指定を受け、その「指定医」が常勤している指定医院では、健康保険が適応となります。

保険適応の場合、費用面に関してはかなり抑えることができます。

術式により差はありますが、全て最後まで含め約60万前後程度かと思います。また、高額療養費制度も使えるので、多少、費用が戻ってくる可能性があります。

ただし、保険適応には、使用する装置や治療上のルールはあります。

指定医療機関でなくとも手術併用の矯正治療は可能ですが、全て保険適応外(自費)となりますので、約200~300万円程度かかります。サージェリーファーストと言って手術は先に行った後に矯正治療をする場合も自費になります。

保険適用になれば、生命保険が病気として扱ってくれる場合もあり、保険がおりる場合もあります。

代表的な治療法は、以上になります。

 

 

最近、時折、矯正用アンカースクリューを使えばガミースマイルは全て治るような内容を記載した広告や記事を見る場合があります。

矯正用アンカースクリューにも限界があります。確かにアンカースクリューの発展により、以前は不可能だった 治療が可能にはなっておりますが、骨の形や不調和までは変えることはできません。

当院でも、矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療の患者様や

外科手術併用(保険適応)の患者様の治療を行うことも多々あります。

ご自身がどのようなタイプのガミースマイルなのか?何をどう治したいのか?治療開始の際にきちんと理解した上で、治療に望んで頂きたいと思います。

 

村田歯科医院/村田歯科横浜矯正歯科

村田正人

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矯正治療が長引く原因や可能性

横浜駅前にある村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科 です。

新年度も始まり、半月ほどが経過しましたが、新しい環境には慣れたでしょうか?

新たな気持ちで、矯正治療をスタートしたいと思う患者様もたくさんいらっしゃいます。

 

今回は、これから矯正治療をはじめたい方、または、はじめている方への一情報を思い掲載させていただきました。

矯正治療が長引く原因や可能性についてです。

矯正治療は長期的な治療になります。

まず、矯正歯科の専門的な精密検査を行い、診断・分析後、綿密な治療計画(方針)を立案したとしても、人の体ですから、年齢や状態などで期間や方針にブレが生じます。

ですから、矯正治療ではきちんと立ち返ることができる(方針を確認できる)分析や治療計画が大切になります。

決して、その都度、方針を変える切り貼りした治療は良くないと考えております。

 

 

 

矯正治療が長くびく原因として代表的なものは・・・・

 

①歯の動きが遅い(個人差あり)

歯の動きには個人差があります。顔の骨格パターン、骨の代謝や咬む力の違いによって歯の動き方は変化します。また、咬み方や生活習慣も影響します。また、矯正治療に年齢制限はないですが、骨の代謝は経年的に変化します。年齢によって歯の動くスピードは変わる場合があります。特に初期の歯の移動するまでの期間は年齢が若いほど早く動き出すと言われています。

 

 

②装置が外れることが多い(脱離)

食べ物や食べ方に気をつけないと(通常は、装置装着時に口頭や説明書を用いて注意事項を説明します)、装置が外れることがが起こります。すると、歯が予想外の動きをしたり、治療のステップを再度一段下げる必要性がでる場合があります。当然、その分、治療段階に「寄り道」をすることになります。装置が外れる原因としては、他には「歯ぎしり」「噛みしめ」など、無意識な生理現象による場合もあります。

 

 

③歯磨きをはじめとした口腔ケアと怠ってしまう

矯正治療が始まると、多かれ少なかれ装置(異物)が着きますから、歯磨きはしづらくなります。矯正治療開始時に「ブラッシング指導」を行いますが、歯ブラシなどお口の中の清掃状態が悪いと、当然、虫歯や歯肉炎になりやすくなります。ひどい場合は、一時的に装置を外して、虫歯や歯ぐきの治療が必要になります。

矯正歯科専門医院では一般歯科を併設している所は多くありません。一般歯科の通院も必要になりますし、矯正治療が延びてしまいます。

 

 

④来院の予定が中々合わない

治療をする医院を決める際は、勿論、治療結果や治療に対する安心感が第一だと思います。さらに、担当の先生の説明、診断や人柄など「お願いしたい」と思って決めるかと思います。矯正治療は平均4~6週前後に1回目の通院間隔です(ただし、装置の種類や治療の段階によっても異なります)。当然、その医院の混雑状況により予約が先になる事もあります。きちんとした医院程、予約が取りづらくなる場合もあります。土日や平日の夕方は予約の競争率も高いかもしれません。

「予約が取りづらくてもきちんと治療をしてもらえる医院にしたい」

「多少遠くても、その医院で診てもらいたい」

「仕事や生活スタイルを中心に考え予約が取りやすい医院にしたい」など・・・

ある程度は仕方がない事かと思いますが、ご自身のお仕事、生活スタイルや通院に対する考え方なども医院を決める際に少し考慮することも必要かもしれません。

 

 

⑤お口や舌のクセ(口腔習癖、舌癖)や口呼吸で歯の動きを邪魔している

舌突出壁異常嚥下壁といって。舌が端を押す力で前歯が咬み合ったり、前歯を引っ込める動きを邪魔していることがあります(開咬という状態の方が多いです)。

この舌の動きは、矯正治療を妨げる原因の1つとなります。この舌癖を取り除くには、担当医の指導も下、ご本人の意識も大切ですし、舌の位置を意識するトレーニングであるMFT(舌の位置づけや舌の筋トレ)が重要となります。個々の状況によっては、「舌のクセ」が中々抜けず、治療結果が思わしくない状態になる場合もあります。

 

 

⑥歯が特異的な状態になっている場合(骨性癒着、アンキローシス)

本来、歯と支える骨の間には、歯根膜(歯周靭帯)という膜状の組織があります。その歯根膜の中には歯を動かす細胞が多数含まれております。本来、この歯根膜の反応により歯が移動します。この歯根膜は、歯をぶつけたり、脱臼したりして、強い損傷をうけても比較的正常に修復されますが、時折、骨の細胞が増殖し、歯と骨が癒着してしまう現象(骨癒着、アンキローシス)が起きてしまいます。

この現象は、損傷を受けなくても原因不明に起こることもあります。骨癒着(アンキローシス)は鑑別診断が非常に難しくレントゲンなどからはわかりません。ぶつけた記憶がなく矯正治療を開始してみて初めてわかることもあります。骨癒着(アンキローシス)が起こったら、歯はまったく動きません。また、対応としては、コルコトミ―と言って外科的処置をすることで骨ごと動かす処置を行います。

矯正治療前にあらかじめ過去に歯の外傷がなかったかなど、問診票や口頭で、担当医の先生に教えていただくと治療期間のロスを防ぐことにつながりますし、「もしかすると?」の心構えを持って治療にのぞめるかと思います。

 

その他にも様々な要因があるかと思います。

担当医、また、患者様もスムーズに治療が進み、早く装置が外せることを願っているのは言うまでもありません。

治療計画や治療期間の予測は診断の下に立案しますが、体質や習慣なども含め予測通りに進まない場合もありますので、これらの事を意識したことで治療に向合っていただけると幸いです。

 

今後とも正しい情報提供を心がけていきたいと思います。

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科

村田正人

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ゴールデンウィーク期間中の診療日程について

横浜駅前 にある 村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センターです。

一時期の寒の戻りも緩和され、だいぶ春めいてきましたね。

あっという間にゴールデンウィークも目前になってきました。

今回は、ゴールデンウィーク期間中の診療日程をお知らせさせて頂きます。(4月29日~5月6日の間)

当院の矯正歯科では、以下の日程にて、診療日および休診日とさせていただきます。

<矯正歯科>
診療実施:4月29日、30日
休診日:5月1~5日

矯正歯科は、通常、水・日曜日にお休みを頂いておりますが、本年度は
★4月29日(金・昭和の日)は臨時診療を実施★ 致します。

4月29日の診療時間は、午前9:30~午後17:30となります。

 

痛みや気になる症状がある場合は、お早目の受診をお願いいたします。

何卒ご理解の程をよろしくお願い致します。

 

 

 

 

 

 

尚、5月6日以降は、一般歯科診療は通常通り、実施しておりますので、医院としては開院しております。

 

尚、併設の一般歯科の診療日程は以下のようになります

<一般歯科>・・・暦通り(休診日は通常通り)

診療実施:5月2日
休診日:4月29日、30日、5月1日、5月3日~5日

5月3日~ 5日は、矯正歯科、一般歯科 で数日間休診になりますので、連休の直前では処置内容が限られてしまうことがあります。痛みや気になる症状がある場合は、お早目の受診をお願いいたします。

※ 連休中は、大変ご迷惑をおかけしますが、何卒、ご理解の程をよろしくお願い申し上げます。

 

村田歯科医院 / 村田歯科 横浜矯正歯科センター 村田正人

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