村田歯科医院 / 村田歯科 横浜矯正歯科です。
来週はもう早いものでゴールデンウィークですね。今年の人出はどうなるのでしょうか?
新型コロナウィルス感染症の感染対策は怠らないようにしていきたいと思います。
ご相談や治療希望で来院された患者様の中で、時折、治療目的で出てくる症状の一つに
ガミースマイル(笑うと歯ぐきが多く見えてしまう現象)があります。
特に女性に多いと言われています。なぜなら、男性は口の周りには太いヒゲが多く、皮膚が固いため笑っても唇がめくれにくいと言われているからです。
ガミースマイルにより、見た目があまり良くないと!気にされて来院される方も少なくありません。
「二コっと」笑った時に、目安として1番前の上アゴ前歯の歯肉(歯頚部)から歯肉が
3㎜以上見える場合をガミースマイルといいます。
逆に言うと 「1mm~3mm は正常」 と言われます。
ただし、骨格、唇の圧さ、筋肉や人種などによっても基準は違います。またガミースマイルの方の多くのケースが、過蓋咬合(ディープバイト)や上顎前突(出っ歯)の傾向にあります。それにより、口呼吸や口唇閉鎖不全(口が閉じにくい)を伴っており、前歯が露出しているために、お口の中が乾燥し唾液による防御効果が薄れ歯肉炎になっていることが多いです。
ですから、過度なガミースマイルは見た目だけでなく、お口の中の健康にも影響すると言えます。
歯科矯正のガミースマイル治療には以下に挙げた方法が代表的です。
①矯正装置単独(矯正用ワイヤーやマウスピース型矯正装置)による治療
ごく軽度であれば矯正治療単独で改善が見込まれます。
前歯が上方に上がるようにワイヤーにステップを入れたり、カーブを入れたりなどワイヤーを調整することで改善が見込めます。
また、症状によっては、マウスピース型矯正装置と矯正用ゴムを併用して改善する場合もあります。
②矯正装置(ワイヤー)と矯正用アンカースクリュー(TAD)を併用する治療
通常の矯正用ワイヤーを使用した上で、矯正用アンカースクリューという矯正用のアイテムを使用する治療法です。
ガミースマイルの原因は、上顎の前歯の位置が顔に対して下にあり過ぎることが主な原因となります。ワイヤーだけでは不可能な大きな移動が必要な場合に用いられます。
矯正用アンカースクリューは主にチタン製の小さなネジで、麻酔下にて骨に直接、回しながら埋入します。比較的簡単な場合は、専用器具を使って手で入れます。麻酔も少量で施術中の痛みも無く、腫れもありません。
術後の痛みに関しては個人差があります(鎮痛剤で抑えられる程度)。打ち込んだスクリューの頭部より、ワイヤーやアタッチメントを介して上顎の前歯を上後方に引っ張っていきます。
矯正用アンカースクリューは骨に打ち込むことにより、絶対動かない固定源になることです。
矯正用アンカースクリューがまだ無かった時代には、矯正用ワイヤーのみの治療ではガミースマイルの改善には限度がありました。
③矯正装置(ワイヤー)と外科手術を併用した矯正治療(顎変形症、上顎前突症)
上アゴの前歯が著しく下がっており、骨格的な要因が影響している場合(歯槽骨という歯が植わっている骨の部分が伸びている場合)は、矯正用アンカースクリュー単独では限界があります。
4㎜以上の移動が必要な場合は、手術の必要性を検討した方が良いかと思います。骨格的な改善が必要なケースは「顎変形症(がくへんけいしょう)」という診断になります。
外科手術を併用したガミースマイル治療の場合には、矯正歯科、口腔外科または形成外科との連携が必要になります。術前矯正を行た後、手術は全身麻酔下、入院は10日前後必要です。
矯正歯科では「自立支援医療機関・顎機能診断施設」の指定を受け、その「指定医」が常勤している指定医院では、健康保険が適応となります。
保険適応の場合、費用面に関してはかなり抑えることができます。
術式により差はありますが、全て最後まで含め約60万前後程度かと思います。また、高額療養費制度も使えるので、多少、費用が戻ってくる可能性があります。
ただし、保険適応には、使用する装置や治療上のルールはあります。
指定医療機関でなくとも手術併用の矯正治療は可能ですが、全て保険適応外(自費)となりますので、約200~300万円程度かかります。サージェリーファーストと言って手術は先に行った後に矯正治療をする場合も自費になります。
保険適用になれば、生命保険が病気として扱ってくれる場合もあり、保険がおりる場合もあります。
代表的な治療法は、以上になります。
最近、時折、矯正用アンカースクリューを使えばガミースマイルは全て治るような内容を記載した広告や記事を見る場合があります。
矯正用アンカースクリューにも限界があります。確かにアンカースクリューの発展により、以前は不可能だった 治療が可能にはなっておりますが、骨の形や不調和までは変えることはできません。
当院でも、矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療の患者様や
外科手術併用(保険適応)の患者様の治療を行うことも多々あります。
ご自身がどのようなタイプのガミースマイルなのか?何をどう治したいのか?治療開始の際にきちんと理解した上で、治療に望んで頂きたいと思います。
村田歯科医院/村田歯科横浜矯正歯科
村田正人
日付: 2022年4月24日 カテゴリ:未分類 and tagged ガミースマイル, 保険適応, 治療法, 矯正歯科, 顎変形症