矯正歯科(専門外来)と一般歯科を併設した村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センターです。当院では、院内の新型コロナウィルス感染症対策を緩める事なく、また、患
者様用の手指消毒液、衣類用除菌剤を受付にてご用意し、日々の診療にあたっています
「前歯が見えないんです」
「咬むと歯ぐきが痛いです」
「笑うと歯ぐきがたくさんみえてしまいます」
そのようなお悩み、症状をお持ちで、来院される患者様がいらっしゃいます。
上下の歯を噛み合わせると、前から見て下の前歯が全く見えません!!
この状態は、「ディープバイト」や「過蓋咬合(かがいこうごう)」といって、
上下の前歯が深く噛みあってしまい、下の前歯の先端(切端)が上の歯ぐきに当たってしまっている状態、もしくは、上の前歯が舌の前歯の歯ぐきに当たっている状態です。
この状態は、咬み合わせや見た目にも良くない影響を及ぼしやすいです。
以下に、過蓋咬合がおよぼす良くない影響を挙げてみます。
<歯肉退縮の誘因>
咬み合わせが深いため、上の前歯の先端が下の前歯の表面からさらに歯ぐきにあたり、機械的刺激で歯ぐきが下がってしまいます。これを歯肉退縮といい、一度下がったら元にはもどりません。この状態は、逆に上の前歯の裏側でも起こり得ます。放置する歯肉退縮は進行して、特に下の前歯は動揺して、やがて抜け易くなる可能性があります。また、上の歯ぐきでは機械的刺激を繰り返すことにより、さらなる歯肉退縮や歯周病、極端な場合には、口腔がんの発生リスクも高まってしまう可能性もあります。
<顎関節症の原因>
やはり咬み合わせが深く、咬み合わせる時に下あごが、後方へ誘導されるため、アゴの関節に負担がかかりやすくなります。最初は症状はなくとも、経年的にこの負担がかかり続けると、アゴの関節にある関節円盤を呼ばれる関節のクッションがズレたり、アゴの関節にある下顎頭(かがくとう)という部分がこすれて、変形する場合もあります。
<歯周病や虫歯の原因>
咬み合わせが深いことにより、上の歯茎が下の前歯によって刺激されるため、歯周病になりやすくなります。また、口内炎もできやすいなどの問題が生じます。また、上の前歯が乾燥しやすいため、虫歯ができやすい環境を作ってしまいます。症状によっては、歯と歯の間や、歯と歯茎の間に隙間が少なく、入れ歯や被せ物が壊れやすくなるなど、詰め物や被せ物のトラブルの引き金になる可能性があります。
<ガミースマイル>
咬み合わせが深いため、見た目にも上の前歯が下方に伸びており、その歯ぐきも下方にあるため、笑った時に歯茎まで露出して見える事が多く、ガミースマイルと呼ばれる症状を呈しています。笑う時の歯ぐきの露出を気にしてしまい、思いっきり笑え無い方もいらっしゃり、精神的な問題にもなることもあります。また、お口が閉じづらく、特に前歯の歯ぐきが乾燥しやすく、歯肉炎を起こしていることも少なくありません。
矯正歯科での精密検査をしてどのような状態にあるか?必ず詳細な診断が必要です。
症状にもよりますが、治療法としては、やはり矯正歯科治療がもっとも有効です・・・・
乳歯列期や混合歯列期のお子さんで、「過蓋咬合」の傾向があった場合は早めの対処が重要になります。(←ココ ポイント)
治療法としては、以下のようなケースが考えられます。
- 矯正歯科治療単独(マルチブラケット装置のみ)で可能なケース
- 矯正歯科治療(マルチブラケット装置)と矯正用アンカースクリューが有効なケース
- 矯正歯科治療(マルチブラケット装置)と外科手術が必要な場合(健康保険の適応)
- お子様の場合、拡大装置、ポジショナーやヘッドギアなどで正しいアゴの成長を誘導する
当院は、自立支援(育成・更生)医療機関の指定医院です。「過蓋咬合」「ディープバイト」や「ガミースマイル」でも外科手術が必要な場合は、健康保険適応のが可能となります。
過蓋咬合は意外と歯並びの乱れも少ない場合もあり、パッっと見だけでは、気にしない方や親御さんもいらっしゃるかと思いますが、歯並びのガタガタだけをきにするのではなく、この深い咬み合わせが「要注意」ということを忘れないで頂ければと思います。
村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センター
村田正人