過蓋咬合(噛み合わせが深い)
過蓋咬合(噛み合わせが深い)の原因
・ 虫歯などで早い時期に乳歯を失った。
・ 虫歯で奥歯を失ったままにしている。
・ 前歯の過剰な萌出(長く生えすぎ)、奥歯の萌出不足(奥歯の高さ不足)。
・ 顔の骨格の不調和
・ 不十分かつアンバランスなあごの骨の成長 (下あごの成長不良、上あごの過剰な成長)。
・ 頬や唇の筋肉(口腔周囲筋)の緊張が著しい。
・ 「舌の癖」や「指しゃぶり」などの悪い癖(不良習癖)。
・ 鼻が通りづらく口呼吸がある ・ 遺伝的要因があった 。
治療法
原因や程度にもよりますが、前歯の傾きを改善する方法、あごの発育を誘導、改善する方法、悪習癖が強い場合、癖をやめられるようにトレーニングをするなどの治療法があります。
早い時期の治療には、全体的な矯正装置(ブラケット、ブレース)は用いないことが多いです。
歯の裏側につける装置(固定式の装置)や大きなマウスピースのような装置を使用する方がほとんどです。
上顎に装着し、取り外し可能なバイトプレート、ジャンピングプレートやファンクショナルアプライアンスという装置をしようする場合があります。装置は、食事と歯磨き時を除いて、なるべく長い間(10~12時間程度)の使用が必要です。
ヘッドギアーという装置を利用することもあります。首の後ろから上顎骨を後ろに引っ張り、上顎の奥歯が後ろに動くだけでなく、のび出るように下へ引っ張る力をかけて噛みあわせを改善します。主に就寝時に使用して頂きます。
深い噛みあわせが改善され、アゴの位置も決まってきた後、個々の歯を並べることが必要なら、全体的な矯正装置(ブラケット、ブレース)を歯に装着し、個々の歯を並べて仕上げます。
前歯の噛み合わせが深い過蓋咬合においては、裏側(舌側)矯正装置の機能として咬み合わせの改善が非常に効果的に出来る場合があります。
アフターケア
歯を動かす治療の終了後は、リテーナー(保定装置)という、後戻りを防止し歯並びを安定させる装置を約2年程度使用します。
矯正治療後に親知らずが残っていて、生え方がおかしい場合、または、歯並びを悪くさせる可能性がある状態では、早めに抜歯をしたほうがよいでしょう。ただし、生え方が良好な親知らずは、必ずしも抜かなければならないということではありません。
舌の癖や飲み方の癖が強くある場合は、合わせて筋機能療法を継続し、長期的な管理が必要になります。
必要に応じ、発音訓練により舌の筋肉を鍛える場合があります。
鼻疾患があり口呼吸になりやすい場合は、耳鼻科での治療も必要になります。
歯並びやかみ合わせが安定したあとも、虫歯・歯周病や歯ぎしりなどにより、歯がズレて来る場合があるので定期的な検診は半年から1年に1回は受けるようにしましょう。
治療期間
大人の矯正の場合
① 精密検査から診断結果・治療説明まで:約1~2週間
② 歯を動かす治療:約1年半~2年程度
③ 整った歯並びを安定させる期間(保定):約2年程度
こどもの矯正の場合
① 精密検査から診断結果・治療説明まで:約1~2週間
② アゴを広げたり、歯を動かす治療(第Ⅰ期治療):約1年~1年半程度
③ 永久歯交換待ち期間:約2~3年程度
④ 永久歯の治療が必要な場合(第Ⅱ期治療):約1年~1年半程度
⑤ 整った歯並びを安定させる期間(保定):約2年程度
※ 永久歯がキレイに生えそろい、第Ⅱ期治療が不要だった場合は、④⑤のステップはなくなります。
症例【14歳6ヶ月(初診時)】
治療前
治療後
主訴
かみ合わせが深く歯ぐきに傷がつきやすいのを治したい。
治療方法
抜歯による治療・審美ブラケット(見えにくい装置)使用
前歯のかみ合わせが深いだけでなく、ガタガタもひどく、奥歯の位置もズレていることから、上顎第1小臼歯、下顎第2小臼歯を抜歯し、審美ブラケット(見えにくい装置)によりスペースを確保し治療を行いました。途中、顎間ゴムを併用しました。
治療期間
治療期間 | 約21ヶ月 |
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治療費用
相談料 | 0円 |
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精密検査料 | 40,000円 |
矯 正 料 | 650,000円 + 月1回再診料(1,000~5,000円) |
※価格は税抜で表示しております。
代表的な副作用について
ケースによっては、痛みや治療後の後戻り、歯根吸収、歯髄壊死、歯肉退縮等が起きる可能性があります。
治療費用
小児矯正(第Ⅰ期治療)のみで終了できた場合
精密検査料 | 20,000~40,000円 |
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矯 正 料 | 250,000~400,000円 + 月1回再診料(1,000~5,000円) |
※価格は税抜で表示しております。
小児期~永久歯(第Ⅰ期治療~第Ⅱ期治療)で終了した場合
精密検査料 | 20,000~40,000円 |
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第Ⅰ期矯正料 | 250,000~400,000円 + 月1回再診料(1,000~5,000円) |
第Ⅱ期矯正料 | 200,000~350,000円 + 月1回再診料(1,000~5,000円) |
※価格は税抜で表示しております。
成人(永久歯)からの矯正の場合
精密検査料 | 20,000~40,000円 |
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矯 正 料 | 500,000~700,000円 + 月1回再診料(1,000~5,000円) |
※価格は税抜で表示しております。
成人(永久歯) 裏側からの矯正の場合
精密検査料 | 20,000~40,000円 |
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矯 正 料 | 500,000~700,000円 + 月1回再診料(1,000~5,000円) |
裏側装置料 | 上 下 裏側 250,000~350,000円(矯正料に加算) |
上顎のみ裏側 | 150,000~200,000円(矯正料に加算) |
※価格は税抜で表示しております。
保険が適応される場合
厚生労働大臣が定める先天性の特定疾患による不正咬合・口蓋裂や手術顎変形症(外科矯正)と診断された方の外科手術を伴う矯正治療は、健康保険が適用となります。
(保険適応の矯正治療費の目安)・・・3割負担の方の場合
矯正費用 | 25万円くらい(検査費用、調整料金等含む) |
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外科手術・入院費用 | 25万円~40万円くらい(病院によって差額ベット代金の負担のため) |
※保険の場合は、症状により患者さんごとで通院回数や合計費用は変わってきます。
※ 矯正料に関しては、診断の結果、各症状の治療内容により確定します。コンサルテーション(診断結果・治療方針の説明)の際にお知らせいたします。