受け口

受け口の原因

・ 「舌の癖」や「指しゃぶり」などの悪い癖(不良習癖)
・ 飲み込み方が悪い(異常嚥下)
・ 鼻の通りが悪く口呼吸である
・ 上アゴの劣成長または下アゴの過成長
・ 頬杖や片側で食べる癖がある
・ 遺伝的な要素があった
・ 原因不明のもの

治療法

前歯のかみ合わせが反対の場合(反対咬合)は、できるだけ早期の治療が必要です。早い段階からの治療では取り外し式の装置を使用したりします。
骨格的不調和が少なく受け口や反対咬合が、前歯のみの場合は、固定式の装置を使用し、比較的簡単に治ります。
アゴの成長を長期間経過観察が必要な場合があります。
骨格の大きさや歪みが大きな骨格性の場合は、歯の移動だけでは良い結果が得られないために、あごの外科手術を併用した外科矯正治療が必要になります。外科手術は提携の大学病院で行い、入院は1~2週間必要です。手術は一般的なもので危険なものではありませんが、手術の担当医師と十分なカウンセリングの後、判断していただきます。

アフターケア

歯を動かす治療の終了後は、リテーナー(保定装置)という、後戻りを防止し歯並びを安定させる装置を約2年程度使用します。
「舌の癖」や「飲み方の癖」が強くある場合は、合わせて筋機能療法というリハビリを継続し、長期的な管理が必要になります。
必要に応じ、発音訓練により舌の筋肉を鍛える場合があります。
遺伝的な要素が考えられる場合は、アゴの成長のを長期間経過観察が必要になります。
歯並びやかみ合わせが安定したあとも、虫歯・歯周病や歯ぎしりなどにより、歯がズレて来る場合があるので定期的な検診は半年から1年に1回は受けるようにしましょう。

治療期間

大人の矯正の場合

① 精密検査から診断結果・治療説明まで:約1~2週間
② 歯を動かす治療:約1年半~2年程度
③ 整った歯並びを安定させる期間(保定):約2年程度

こどもの矯正の場合

① 精密検査から診断結果・治療説明まで:約1~2週間
② 歯を動かす治療(第Ⅰ期治療):約1年~2年程度
③ アゴの成長コントロールや永久歯交換待ち期間:約2~3年程度
④ 永久歯の治療が必要な場合(第Ⅱ期治療):約1年半~2年程度
⑤ 整った歯並びを安定させる期間(保定):約2年程度

※ 永久歯がキレイに生えそろい、第Ⅱ期治療が不要だった場合は、④⑤のステップはなくなります。

外科矯正治療(保険矯正)の場合

① 精密検査・顎機能検査から診断結果・治療説明まで:約2~3週間
② 臨床検査(提携病院)
③ 術前矯正:約1~2年
④ 手術:入院期間約1~2週間(提携病院)
⑤術後矯正:約半年~1年半
⑥保定期間:約2年

症例

ケース①・・・非抜歯・外科矯正手術併用【21歳5ヶ月(初診時)】

治療前
治療後
主訴

受け口を治したい。

治療方法
非抜歯・外科矯正手術併用による治療・審美ブラケット(見えにくい装置)使用

骨格性の反対咬合(下顎前突)のため外科矯正手術を併用して治療を
行なうこととなりました。親知らず以外の抜歯は行なっていません。

治療期間
手術前矯正 10ヶ月
手術時入院期間 7日間
手術後矯正 8ヶ月
代表的な副作用について

ケースによっては、痛みや治療後の後戻り、歯根吸収、歯髄壊死、歯肉退縮等が起きる可能性があります。


治療費用
保険が適応される場合に該当

3割負担の方の場合、患者様のご負担は総額約50~60万円程度
(矯正料金および手術・入院費等を含む)
ただし、保険の場合は、症状により患者さんごとで通院回数や合計費用は変わってきます。

 

ケース② 非抜歯(第1期治療~第2期治療 継続治療)【10歳11ヶ月(初診時)】

治療前
治療後
主訴

前歯が反対で咬みにくいのを治したい。

治療方法
審美(透明または白い)ブラケット(見えにくい装置)使用

第1期治療では舌側弧線装置(リンガルアーチ)と審美ブラケット装着により、前歯の反対を治し、永久歯が生えそろった後、抜歯を行なわずに第2期治療として、全体的に審美ブラケット装着して改善いたしました。歯槽性の反対咬合(前歯のみ逆で骨格的には問題ない)であり、第1期治療での顎間ゴムの使用時間など患者様の協力性が非常に良かったので、スムーズに治療が出来ました。

治療期間
第1期治療 約8ヶ月
永久歯交換待ち 約15ヶ月
第2期治療 約10ヶ月

治療費用
相談料 0円
精密検査料 40,000円
矯 正 料 第1期治療 300,000円+ 月1回再診料
(1,000~5,000円)
第2期治療 300,000円+ 月1回再診料
(1,000~5,000円)

※価格は税抜で表示しております。

代表的な副作用について

ケースによっては、痛みや治療後の後戻り、歯根吸収、歯髄壊死、歯肉退縮等が起きる可能性があります。

治療費用

小児矯正(第Ⅰ期治療)のみで終了できた場合
精密検査料 20,000~40,000円
矯 正 料 250,000~400,000円 + 月1回再診料(1,000~5,000円)

※価格は税抜で表示しております。

小児期~永久歯(第Ⅰ期治療~第Ⅱ期治療)で終了した場合
精密検査料 20,000~40,000円
第Ⅰ期矯正料 250,000~400,000円 + 月1回再診料(1,000~5,000円)
第Ⅱ期矯正料 200,000~350,000円 + 月1回再診料(1,000~5,000円)

※価格は税抜で表示しております。

成人(永久歯)からの矯正の場合
精密検査料 20,000~40,000円
矯 正 料 500,000~700,000円 + 月1回再診料(1,000~5,000円)

※価格は税抜で表示しております。

成人(永久歯) 裏側からの矯正の場合
精密検査料 20,000~40,000円
矯 正 料 500,000~700,000円 + 月1回再診料(1,000~5,000円)
裏側装置料 上 下 裏側   250,000~350,000円(矯正料に加算)
上顎のみ裏側 150,000~200,000円(矯正料に加算)

※価格は税抜で表示しております。

保険が適応される場合

厚生労働大臣が定める先天性の特定疾患による不正咬合・口蓋裂や手術顎変形症(外科矯正)と診断された方の外科手術を伴う矯正治療は、健康保険が適用となります。
(保険適応の矯正治療費の目安)・・・3割負担の方の場合

矯正費用 25万円くらい(検査費用、調整料金等含む)
外科手術・入院費用 25万円~40万円くらい(病院によって差額ベット代金の負担のため)

※保険の場合は、症状により患者さんごとで通院回数や合計費用は変わってきます。

尚、矯正料に関しては、診断の結果、各症状の治療内容により確定します。コンサルテーション(診断結果・治療方針の説明)の際にお知らせいたします。

 

矯正歯科について