悪い歯並びが身体に及ぼす影響
歯並びが悪いとどういうことが起こるのか・・・
① 歯への影響(虫歯や歯周病のリスク)
口の中には、咀嚼時(ものを咬んでいる時)の食物や周囲の筋などによる自浄作用(きれいにしようとする作用)があります。
歯並びが悪いと、この作用 が阻害され「歯と歯の間」や「歯と歯ぐきの隙間」に歯ブラシをきちんと当てることが難しく、磨き残しを作ってしまい不潔になるため虫歯や歯周病の誘因になります。
② 外傷や歯の根を吸収
極端に歯が出ている場合、運動時に頬の粘膜や隣の歯の根を傷つけやすくなります。
③ 発音への影響
ひどい乱杭歯、上下前歯が咬み合わず常に開いた状態、受け口などの場合、舌の動きが制限され正しい発音がしづらい場合があります。
具体例をあげると、日本語ではサ行やタ行が言いにくくなり、英語ではsやzなどの発音が言いにくくなります。一般に母音に比べて、子音の方が影響されやすいようです。
④ 咀嚼(そしゃく)への影響 (ものが噛みにくい)
歯並びが悪いと食べ物を前歯で噛み切ることや、奥歯でしっかりと噛んで飲み込むことができません。よく噛まずに飲み込むと、消化を助ける"唾液"が 少なく、多くの食べ物を胃や腸で分解することになり、消化不良などの原因になることもあります。
また、噛む回数が少ないと、脳の血流が悪くなり、知能や運 動機能の発達に悪影響を与えることがあります。
⑤ あごへの影響
歯並びが悪いと、噛むときにあごにかかる力が均等でないと、あごの関節や筋肉への負担が大きくなり、「口をスムーズに開けることができない」・「口 を動かすと耳の辺りがカクカクと音がする」・「噛んだときに、あごの関節や周りの筋肉が痛む」などの「顎関節症」が引き起こされるリスクがあります。ま た、あごの成長にも影響し、上下のあごの左右・前後のバランスが悪くなり、肩こりや頭痛・腰痛の原因になることもあります。
⑥ 顔への影響
歯が飛び出している出っ歯などの不正咬合がみられる場合、唇が閉じづらく口元にしまりがなくなり、見た目の美しさや印象に影響を与えます。
また、あごや口の周りの筋肉の成長や発育不足によって不正咬合や、上下のあごにズレが生じ、顔の左右が歪んでしまうことがあります。
⑦ 心理への影響
悪い歯並びを気にして人前であまり話したがらなくなったり、容姿を気にしたりして、消極的になってしまうなど精神的に影響を与える場合があります。
矯正治療は機能的に回復するばかりでなく、審美的、精神的にも回復させることができます。
⑧ 体への影響
歯並び・かみ合わせの悪さは、身体全体のバランスにも関係し、頭痛・腰痛・肩こり・めまいなどの誘因、原因になるおそれがあります。