子供の矯正
子供のころから矯正するメリット・デメリット
子供の矯正のメリット
・ | アゴの成長を良い方向にコントロールができる。また、これにより、上下のあごのバランスを整え、歯並びを広げることがでる。 |
・ | 矯正のために永久歯を抜かないで歯並びを整える確立が高くなる。 |
・ | 顎の発達やかみ合わせに悪影響を及ぼす、指しゃぶりや舌癖、噛み癖(悪習癖)などを早期発見・早期治療でできる。 |
・ | 永久歯の交換が良好な場合は、永久歯列での治療が不要になります |
・ | 美しい歯並び・口元・横顔の獲得による自信のある笑顔の獲得 |
・ | 歯や顎への負担を減らすことができる |
・ | 口の中の環境が良好になる(虫歯・歯周病予防など) |
・ | かみ合わせから来る全身への悪い影響を予防できる(肩こり・顎の痛み・頭痛など) |
子供の矯正のデメリット
・ | 幼児期から治療を開始するため永久歯の生え変わり期間を入れると通院期間が長くなることがある |
・ | 歯みがきを怠ると磨き残しがでることが多く、虫歯になりやすくなる。特に注意深く歯の歯みがきを行う必要がある。 |
・ | お子さんとご家族の協力性が必要です。装置の管理などを含め、治療効果・予後に不確実な部分があります(協力性が大切) |
矯正を始めるタイミング
前歯が反対(反対咬合)や顎が曲がっている(上下の真ん中があっていない)ケースなどは、早期治療が必要な場合があり、4~6歳ごろ診察を受けた方が良いでしょう。
通常は、6~7歳ごろに診察を受けて、矯正治療の必要性があるかチェックをした方が良いです。
注意が必要な症状
・ | 前歯が反対のいわゆる受け口(反対咬合) |
・ | 上下の歯並びの真ん中(正中)が大きくズレている(約2㎜以上) |
・ | 鼻がつまりやすく、お口をあけていることが多い状態、いわゆる口呼吸の状態が多い場合 |
・ | 上の前歯が出ている状態(出っ歯) |
・ | 上下の歯をかみ合わせると前歯が深く噛み込み、下の前歯がほとんど見えなくなるくらいとじてしまう状態(過蓋咬合)で、将来アゴの関節にも負担をかける可能性が大きいです |
・ | 上下の歯をかみ合わせても、前歯がかみ合わない状態(開咬)で、前歯でうまく食べ物がかみ切れなかったり、「さしすせそ」などがうまく発音できない、また、指しゃぶりや舌を前に突き出すような癖がある場合 |
・ | 歯の間に隙間ができた状態です(すきっ歯)。常に息が抜ける事から、特にサ行やタ行の発音が不明瞭となることが多く、言葉が聞き取りにくいと言われてしまう場合 |
治療に使用する装置
歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)
マウスピースを大きくしたような矯正装置で、反対咬合(受け口)の治療に使用します。3歳~7歳くらいお子さんが対象で、装着したまま就寝します。歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)は筋機能訓練装置とも呼ばれ、口のまわりの筋肉や舌のバランスを整えながら噛み合わせを改善していきます。本格的な矯正治療の前処置としても使用することがあります。取り扱いは非常に簡単です。 |
急速拡大装置(きゅうそくかくだいそうち)
主に下アゴに対して、上顎が狭いケースに使用し、上アゴのアーチを横に広げる装置です。自分で取り外すことはできませんが、歯が並ぶスペースを確実に広くすることができ、永久歯の抜歯を行なわない矯正の可能性が高まります。上アゴが十分に固まっていない高校生くらいまでが最適ですが、症例によっては、20歳以上の大人でも効果を発揮できる場合もあります。 |
床拡大装置(しょうかくだいそうち)
取り外しができるプラスチックのプレート(床)で、歯の正しい位置への移動と、顎の骨を広げる装置です。装置中央にはスクリューが装着されていて、これを回すことによって、歯並びの幅を広げたり歯を動かしたりします。小学校前半から開始します。非常に手軽で簡単な構造ですが、治療効果の高い装置として子供の矯正治療では多く使われています。症例によって「急速拡大装置」と使い分けていきます。アゴの大きさが決まっている大人では殆ど使用されない装置です。 |
顎外固定装置(がくがいこていそうち)
① ヘッドギア
上アゴの成長が強すぎるために起きる上顎前突(出っ歯)に適応し、上顎第一大臼歯から後方に力をかけ、頭部から後ろに引っ張るようにして装着します。取り外しが簡単にでき、就寝時および自宅内で使用します。力のかけ方によって上顎の成長を抑えたり、あるいは上顎の奥歯を後方に移動させます。力の加え方を調整していきながら顎の成長をコントロールします。装置の使用時間によって治療効果が左右されますが、ご本人とご家族の協力が得られればとても効果的な装置です。主に小学生~中学生時の成長期に使用し、上顎の成長・上奥歯の位置がコントロールできれば、永久歯列期の上顎前突の治療において抜歯をしないで治せる場合があります。 |
② フェイシャルマスク
上アゴの成長が悪い(劣る)ことが原因で生じる下顎前突(受け口)の場合に使用します。ひたい(おでこ)と下顎の間についている金具に上顎を前方に引っ張るゴムを取り付けます。これにより、上顎を前方に成長誘導することで受け口を改善します。小学校低学年から使用開始をします。使用期間は症状によって様々ですが、場合によっては、上アゴの成長が止まる小学5、6年生頃まで使用します。取り外しが簡単にでき、就寝時もしくは自宅で装着します。 |
③ チンキャップ
下アゴの成長が強すぎるために起きる下顎前突(受け口)に適応し、下アゴの先端(オトガイ部)にかぶせるキャップ状のもので、チンキャップとヘッドキャップとゴムリング(または「ゴムバンド」)から構成されています。ヘッドキャップは、ヘルメット状の形をしている頭にかぶるもので、下アゴの骨や下アゴの歯を後方(後頭部側)へ移動させる固定源となります。そして、ゴムの力を利用して、下アゴの骨や下あごの歯を牽引させる力を与えます。毎日10~12時間以上の使用が必要です(効果には個人差があります)。通常は、睡眠中に利用する場合が多いです。主に小学生~中・校生までの成長期に使用し、下アゴの成長が止まるまで長期間使用する場合があります。 |
リップバンパー
主に下アゴの歯に用いられます。唇や頬からの圧力を装置がガードし、舌の圧力により、内側から左右歯列の幅を広げてアーチ型を緩やかにします。これにより、左右の幅を拡張してスペースを作ったり、倒れている歯を起き上がらせたりします。また唇の力を利用して、下の奥歯を後方へ移動させることもできます。 取り外し式と固定式のものがあり、用途や使用状況により使い分けます。装置が比較的目立たない、口の周りの筋肉が鍛えられ顔が引き締まるなどの効果もあります。 |
アクチバトール、バイオネーター
上下のアゴの成長バランスを整える装置です。患者さん自身の口の周りの筋肉を装置を介して利用した装置で、出っ歯や受け口、過蓋咬合を改善します。基本的には取り外しが簡単にでき、就寝時もしくは自宅で装着します。お子様への負担はほとんどありませんので、とても使いやすい装置であるといえます。 <個々の歯を並べる必要がある場合に使用する装置> 個々の歯を並べる必要がある場合、または、永久歯の交換期以降では、大人の矯正と同じ「マルチブラケット装置」を使用します。こどもの矯正(第Ⅰ期)治療の効果が良好な場合は、アゴの骨など土台の準備が整っている為、永久歯を抜くことなく、非常に楽に歯を並べることができます。 |
費用
初診・相談料 | 0円 |
---|---|
精密検査料 | 22,000~44,000円 |
診査診断・治療説明(コンサルテーション) | 精密検査料に含まれる |
小児矯正料(第Ⅰ期治療) | 330,000~495,000円+再診料 |
成人矯正料 (第Ⅱ期治療) | 715,000~880,000円 ( 第Ⅰ期治療から継続の場合は差額 ) |
部分矯正料 | 52,500円~ |
再診料 | 2,200~5,500円 |
裏側矯正装置料 | 上下顎 440,000円~ 上顎のみ 330,000円~ 裏側矯正の場合は矯正料に装置料が別途必要になります。 |
マウスピース型矯正装置 | 52,500円~ 保険適応の費用(3割負担の場合) |
矯正料 | 約20~30万円程度 (検査費用、調整料金等含む) |
外科手術・入院費用 | 約25~40万円(必要な場合) |
※尚、保険の場合は、症状により患者さんごとで通院回数や合計費用は変わってきます。