口呼吸と鼻呼吸の影響について
村田歯科 横浜矯正歯科センター 横浜駅前の矯正歯科専門医院 Blog

早いものでそろそろ10月も目の前、季節も移り、だいぶ過ごしやすい季節になってきました。過ごしやすくなったのは良いですが、「新型コロナウィルス感染症」の収束はまだ先のようですね。皆様、くれぐれも油断せず、お気をつけてお越しくださいませ。nurse.gif

村田歯科医院/村田歯科 横浜矯正歯科センターです。

先日、

「口が閉じれないんです。前歯で麺類が切れないです。」

「最近、歯ぐきが腫れてきて、歯磨きのときに血が出やすくなった気がします。」b-orooro.gif

とのお悩みを抱えて、当院の初診相談を受診された方がいらっしゃいました。

 

ずばり、「開咬症(前歯が咬み合わない)」で、上下の歯が前にでてしまい「口が閉じにくい状態(口唇閉鎖不全)」であり「口呼吸」となっていました。kaeru04.gif

 

近年、メディアなどでも時折、「口呼吸」と「歯並び」「咬み合わせ」の関係性があることが取りざたされることもあり、「口呼吸」が及ぼす悪影響について広く知られるようになってきました。

 

そこで、今回は「口呼吸」についてです。

通常、人間は鼻を使って呼吸(鼻呼吸)をすることで酸素を体内に取り入れています。
しかし、アレルギー性鼻炎や蓄膿症などの鼻疾患をお持ちの方や歯並び原因で唇が閉じにくい(口唇閉鎖不全)方は、口呼吸が生じることがあります。

 

結論から申し上げますと・・・・

「口呼吸」は「万病の元」!!ga-n01.gif

 

「お口の環境、咬み合わせや歯並びにたいする悪影響」はもとより、「全身の健康に対する悪影響」もあります。

そもそも、「鼻呼吸」は、鼻からの分泌液を介して鼻を通った空気を湿せる加湿器のような効果があります。鼻を通った空気が体内に入るときの湿度は90%以上にもなります。

 

鼻の内側に生えている鼻毛には、ホコリなどが体内に入らないように防ぐフィルターのような役割があります。

また、鼻は免疫機構としての機能もあるため細菌やウイルスが粘膜の細胞にくっついたり入り込むのを防ぎます。空気が鼻を通過する間に、有害な細菌やウイルスなどを除去すような効果があります。

口呼吸により体内に入った空気の中には、目に見えない異物が含まれています。
通常は喉の奥にあるリンパ組織が異物を認識して、免疫が働くことによって排除されますが、口呼吸が習慣化していることでその量が多いと、排除が追いつけないことがあります。

そうなると、喉の先の気道が細菌やウイルスに感染するリスクが高まって風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。近年の「新型コロナウィルス感染症」もどうようです。bikkuri01.gif

口呼吸で感染症のリスクが高まると言われています。

 

また、鼻を通った空気は温められて、温度にすると36度前後ほどになるようになり肺への負担も抑えることができます。

 

一方、口呼吸の場合、鼻呼吸にくらべると、分泌される粘液による保湿効果が薄れてしまい、湿度をあげることが困難になるのでお口の中の乾燥につながってしまいます。

 

温度の面でも、口呼吸の場合だと、特に寒い時期の冷えた空気がそのままダイレクトに肺に届くため、肺の免疫力が低下するおそれがあります。

 

 

次に口呼吸が及ぼす、「お口の中」や「歯並びに対する」影響についてご説明します。

口呼吸をすると、口腔内が乾燥しやすくなり、歯肉炎やむし歯、口臭の原因になります。

「乾燥性の歯肉炎」では、特に前歯の歯ぐきが腫れてしまいます。ご自身では自覚がなくでも以下のような症状が無いか確認してみてください。

 

<お口の中の乾燥(口呼吸)による歯肉炎>

・前歯の歯ぐきはが赤黒い

・前歯の歯ぐき(特に歯と歯ぐきの堺目)にスジを入れたような膨らみ(ムキムキとした感じ)がある。

・歯磨きをするとき時々血が出やすい

・時々前歯の歯ぐきが腫れる

(上下の前歯の歯ぐきが赤黒く腫れているのがお分かりでしょうか?)kaeru02.gifbook.gif

 

などです、中々、判断しづらい部分もあるかと思いますが、乾燥性の歯肉炎は、汚れや磨き残しによる通常の歯肉炎である「ブヨブヨとした赤く腫れた感じ」ではなく、「赤黒くムキムキした、一見、腫れているようには見えない」感じです。

 

また、歯並びは、お口の中の環境によって良くも悪くも変化します。口呼吸による口の周りの筋肉(口腔周囲筋)の筋力低下により不正咬合の誘因になることがあります。

 

歯並び(特に歯列のアーチの大きさやバランス)は、舌による内側からの圧力と、頬の筋肉や口の周りの筋肉など外側からの圧力のバランスによって配列されています。

この内外の圧力のつり合った範囲をん「ニュートラルゾーン」といい、この範囲が正しく歯並びが維持される範囲です。これがいわゆる「アゴの大きさ」です。kao06.gif

口呼吸が習慣化していると、唇が閉じている時間が短く、舌による内側から押される力の方が強いため歯が前に押し出されやすい状態になります。

口が開いているということは、下アゴが下がっている状態です。

その状態だと本来上あごにくっついているべき舌の位置が下がってしまい、さらに口の周りの筋肉(口腔周囲筋)が発達しにくくなります。

 

また、舌の位置が下がることによっていびきをかきやすくなり、症状がひどい方だと睡眠時無呼吸症候群になってしまう原因になります。特に唇を閉じ合わせたとき、下アゴの先端(オトガイ部)にシワが寄る方は注意が必要です。

さらに幼少期からの口呼吸が習慣づいてしまうと、鼻の成長が足りなくなり不正咬合の原因になることもあります。

 

上下のお口が出たように見える状態、俗に言う「口ゴボ」といわれる状態になることもあります。

口ゴボとは、唇が盛り上がっている状態のことをいいます。
横からみると唇が鼻と同じくらいか、もしくはそれ以上突出しているようにみえます。

口ゴボは上アゴで出ている(いわゆる「上顎前突」「出っ歯」)の方にみられる症状ですが、口呼吸は上顎前突(出っ歯)になる要因の一つです。

このように、口呼吸は様々な影響を及ぼします。健康に過ごしていくためには、正しく鼻呼吸をすることが非常に重要になります。

 

当院でも、鼻の疾患があり長期間続いているような慢性的な鼻炎や副鼻腔炎などをお持ちの方は、耳鼻咽喉科の受診を促すこともあります。

 

このように、「口呼吸」は、矯正歯科治療の予後の安定性にも影響を与えますし、良くない影響を及ぼすことが多々あります。出来るだけ早い改善を心がけることが大切です。b-ganba.gif

 

ネット社会の昨今では、過剰な「広告・情報」や「クチコミ」など根拠のない情報や誤った情報が溢れています。

当院では、正しい矯正治療のために、「正しい情報提供」の発信を心がけています。book.gifbye03.gif

疑問点や不安点などございましたら、お気兼ねなくご相談にお越しください。

 

 

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