保険適用の矯正について

当院は、指定自立支援医療機関(育成・更正医療機関)および顎機能診断施設の指定を受けております。これにより、唇顎口蓋裂・指定症候群および骨格 性不正咬合(外科矯正)の矯正治療がすべて保険の範囲で可能です。以下の内容に該当する方であれば、矯正治療および外科的処置を保険の範囲内で受診するこ とが出来ます。

更生・育成医療機関の指定について

保険矯正をおこなうためには、更生医療指定機関の指定を受ける必要があります。更生医療指定機関では、顎変形症の歯科矯正治療が健康保険でおこなえます が、指定されていない施設で顎変形症の矯正治療をする場合は、自費診療となり高額になります。更生医療機関として施設が指定されるためには、施設の基準と 適切な医療機関(大学病院など)で5年以上の矯正臨床経験および口唇・口蓋裂の治療経験のある歯科医師が常勤している等の用件を満たすことが必要です。さ らに顎変形症に保険を適応するためには、施設に顎運動測定器等の器材の設置が義務づけられています。

対象となる主な疾患(厚生労働省)

唇顎口蓋裂・口唇裂・口蓋裂・顔面裂、第1第2鰓弓症候群、鎖骨頭蓋異骨症、Crouzon症候群、トリチャーコリンズ症候群、ピエールロバン症候群、ダ ウン症候群、ロンベルグ症候群、先天性ミオパチー、顔面半側肥大症、エリス・ヴァン・クレベルド症候群、軟骨形成不全症、外胚葉異形成症、神経線維腫症、 基底細胞母斑症候群、ヌーナン症候群、マルファン症候群、プラダーウィリー症候群 および顎変形症手術を必要とする骨格性の反対交合、上顎前突や開口症等 も矯正治療が健康保険適用となります(外科矯正)

矯正治療の流れ(外科的手術が必要な場合)

手術が不要の場合は通常の矯正治療と同様の手順です。

1.初診相談~コンサルテーション

初診相談から精密検査およびコンサルテーションまでは通常の矯正治療と同様の手順です。

2.臨床検査

全身麻酔手術を行うにあたり、健康状態確認のため提携病院にて臨床検査を行います。

3.術前矯正治療

手術を受ける前に矯正歯科医院に通院し、矯正治療を6ヶ月~1年6ヶ月受けます。

4.外科手術

提携の大学病院などで外科手術を受けます。入院期間は約1~4週間(平均:2週間)程度です。手術内容・医療機関により異なります。

5.術後矯正治療

手術の後、矯正治療を6ヶ月~1年ほど受け仕上げを行います。

6.保定

整った歯並びや咬み合わせを安定させる治療期間です。

7.終了

終了後は、年1回程度の定期検診をすると良いでしょう。

(保険適応の矯正治療費の目安)・・・3割負担の方の場合

矯正費用 25万円くらい(検査費用、調整料金等含む)
外科手術・入院費用 25万円~40万円くらい(病院によって差額ベット代金の負担のため)
※保険の場合は、症状により患者さんごとで通院回数や合計費用は変わってきます。

骨格性反対咬合(受け口)や上顎前突(出っ歯)なども顎変形症として健康保険が適用されます。本来、顎変形症であるにもかかわらず、いきなり美容整 形を受診し、高額治療を受けてしまったケースもあります。正しく納得のいく治療を受けるために、まずは顎変形症の適応であるかを指定医療機関の矯正歯科で 診察を受けるとよいでしょう。